貴州省の伝統の観光ブランド化

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第275回)

 『人民日報』2025年6月4日付1面に「貴州省の民族文化が新たな色彩を帯びる(貴州民族文化煥発新彩)」という記事が掲載されました。これによれば、2021年2月、習近平・総書記が貴州省を訪問した際、「少数民族と民族地域が特色ある有利な産業を発展させ、少数民族文化を繁栄させるよう支援すべきだ 」と発言し、さらに、今年3月に、再訪した際にも、「少数民族文化は中国文化にとって欠くことのできないものであり、有形の村落、住居、特色ある建築を保護し、無形の無形文化遺産を継承するだけでなく、その創造的転換と革新的発展を促進し、民族の特色をより鮮やかに生かし、絶えず新たな輝きを放つようにする必要がある 」と指摘したそうです。
 それ以来、貴州省は無形文化遺産の保護を強化し続け、伝統工芸などを次の世代に伝える教育などを強化して、文化観光産業との一体化も強化し、特別な文化観光ブランドを創造していると記されています。
 中国の南西部に位置する貴州省は日本からはかなり行きにくい場所にありますが、伝統の観光産業化については、日本も大きな参考になることを行っているのではないでしょうか。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。