「焼酎売上高」2年ぶり減少
2025年08月19日
焼酎メーカー上位50社
帝国データバンク福岡支店は、2024年の焼酎メーカーの売上高ランキングを発表した。上位50社の合計売上高は前年比1.6%減の2228億円で、2年ぶりに前年を下回った。若者のアルコール離れに伴う市場縮小に加え、最大手の霧島酒造(宮崎県霧島市)がサツマイモ基腐(もとぐされ)病の影響で減収となったことが響いた。調査は、売上高に占める焼酎の割合が5割以上の全国のメーカーを対象に、24年1~12月の決算期で集計した。
上位10社の顔ぶれは前年と同じ。トップは芋焼酎「黒霧島」などの霧島酒造で13年連続。病害による原料調達難で一部商品の出荷を一時停止し、売上高は11.8%減の約531億円だった。2位は麦焼酎「いいちこ」の三和酒類(大分県宇佐市)。3位の「大分むぎ焼酎二階堂」の二階堂酒造(大分県日出町)は、外食など業務用販売の拡大や原材料費の価格転嫁が奏功し売り上げが伸びた。上位50社の合計売上高はピークの08年から約3割減少。24年の最終損益が判明した40社のうち、赤字は10社と全体の25%を占めた。原材料費や物流コストの上昇分を十分に価格転嫁できなかったことが要因とみられる。同支社は「消費者の節約志向は高まっており、業界全体で新たなニーズを捉えた商品開発と販売戦略を構築することが市場活性化の鍵を握る」と分析している。

