負債22億円で「民事再生法」申請

千鳥屋本家の店舗(福岡市)

 「千鳥饅頭(まんじゅう)」などで知られる菓子製造販売「千鳥屋本家」(福岡県飯塚市)が福岡地裁に民事再生法の適用を申請したことが分かった。民間調査会社などによると、申請は2月27日付で、関連会社3社を含む負債総額は約22億6800万円。コロナ禍での借り入れなどで資金繰りが悪化した。今後「千鳥屋宗家」(兵庫県西宮市)の支援を受けて営業を続ける。
 千鳥屋本家は1630年に佐賀で創業した菓子店「松月堂」がルーツ。1927年に現在の飯塚市に「千鳥屋」として出店し、創業者・原田政雄氏の妻の原田ツユ氏が事業を発展させた。その後、息子らにそれぞれのれん分けし、長男(良康氏)は「千鳥屋総本家」(東京、2016年に経営破綻)、次男(光博氏)の「千鳥饅頭総本舗」(福岡市)、三男(太七郎氏)の「千鳥屋宗家」(兵庫県西宮市)、五男(利一郎氏)の「千鳥屋本家」(福岡県飯塚市)となった。現在はそれぞれ子どもへと代を継いでいる。
 飯塚市で発祥した千鳥屋本家が、福岡市に進出したのは戦後すぐのことで、当時は川端商店街が商業地だったが、岩田屋と新天町しかなかった天神にいち早く目をつけ、新天町に福岡1号店を構えた。ちなみに、東京の総本家も経営破綻後、一時中古車販売会社に事業譲渡されていたが、23年に宗家に譲渡されている。
 また、看板商品の「チロリアン」を巡って、総本舗が他の2社に名称の使用停止を求めて提訴し、22年に和解が成立。本家では「ヨーデルン」に変えて販売している。