「反外国不当域外管轄条例」公布・施行

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第360回)

 2026年4月13日に中国で「反外国不当域外管轄条例」という行政規則(日本でいう「政令」)が公布・施行されました。この条例は、国家の主権、安全、発展上の利益を守り、中国公民および組織の合法的権益を保護し、国際法に基づく国際秩序を維持することを目的としているとされています。外国が国際法および国際関係の基本原則に違反し、不当な域外管轄措置を実施して、中国の国家主権、安全、発展上の利益を脅かし、中国国民および組織の合法的権益を損なう場合、中国政府は相応の措置を講じる権利を有することを明確にするものです。
 要するに、台湾問題や中国国内の人権問題など、中国にとっての内政干渉で中国以外の国から何らかの経済制裁などが行われた場合、これに対して報復措置を採ることを明確にするものと言えます。しかも、「法律」ではなく「行政規則」としていることで、条例の趣旨などについて明確な説明もする必要がないものとなっています。これから、この条例を巡って、また中国と外交上の問題が生じそうです。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。