天神にアミュプラザ開業へ

「VIORO(ヴィオロ)」(福岡市・天神)

 JR九州の主要駅で展開する商業施設「アミュプラザ」が来春、福岡市・天神に進出することが明らかとなった。現在「アミュプラザ博多」を運営するJR博多シティ(福岡市)が受託運営する「VIORO(ヴィオロ)」(地上8階、地下2階建て、店舗面積約6000平方メートル)を改装する予定で、実現すれば、アミュプラザが駅ビル以外に進出する初の事例となる。同社は駅ビルで培ったノウハウを武器に、駅以外での展開にかじを切るとみられる。また、2027年2月に閉店する福岡パルコのテナントの受け皿の候補としても挙がっている。
 アミュプラザを運営するのはJR九州グループのJR九州駅ビルホールディングス(HD、福岡市)で、これまでJR小倉駅のアミュプラザ小倉(1998年開業)を皮切りに、長崎(2000年)、鹿児島(04年)、博多(11年)、大分(15年)、宮崎(20年)、熊本(21年)と九州各県の主要駅でアミュプラザを展開してきたが、熊本以降大規模開発が一巡していた。そこで、JR博多シティは22年11月に、VIOROの管理運営を受託するなど、駅以外における事業拡大を図ってきた。
 無論、天神地区にアミュプラザが進出するということは、天神の〝大家〟である西日本鉄道(福岡市)の牙城に切り込むということだ。しかし、JR九州グループ各社は以前より天神エリアで事業を展開しており、例えばJR九州リテール(同市)はファミリーマート、JR九州フードサービス(同)は「天神華都飯店」、JR九州ファーストフーズ(同)はシアトルズベストコーヒーやケンタッキーフライドチキンといったフランチャイズ店舗を運営するなど、これまではJR九州の「流通・外食」セグメントが天神で展開してきた。今回はJR九州の稼ぎ頭の一つである「不動産・ホテル」セグメントが天神に本格進出することで、今後は同エリアの商業施設のさらなる運営受託やJR九州系のホテルなどの進出もうわさされている。一方で、ある地元関係者は「JR九州は独自のポイント制度である〝キューポ経済圏〟を持っている。JRキューポアプリの利用者は約85万会員(今年1月時点)で、4月からポイント制度が〝JRキューポわくわくプログラム〟としてリニューアルされるなど、経済圏の獲得エリアを博多から天神へ本格的に広げていくのでは」と話すなど、ソフト・ハード両面で天神エリアに切り込むと予想される。