大賞に福岡県糸島市「白糸の森」

「白糸の森」(福岡県糸島市)

 JR九州(福岡市)は12月3日、地域の魅力を発信する「九州観光まちづくりAWARD2025」の表彰式を東京都内で開いた。九州に根付き、その土地ならではの伝統や伝承を守りながら新しい「もの」「こと」「風景」を生み出す人たちを表彰するもので、大賞には福岡県糸島市の体験型観光農園「白糸の森」が選ばれた。
 白糸の森は、飲食店経営の前田和子さんと1級建築士の大串幸男夫妻が約3万3000平方メートルの山林を開墾して2018年に開業。体験型農園のほか、収穫した野菜を加工・販売している。ツリーハウス形のカフェでは、季節の食材を使ったキッシュやタルト、シフォンケーキなどを提供。年間約10万人が訪れており、地域の未来に向けた活動が評価された。
 金賞は「食」部門が日本の食文化を後世に伝える活動を行う神谷禎恵さん(大分県宇佐市)、「ものづくり」は国産の〝竹の箸〟専業メーカーのヤマチク(熊本県南関町)、「にぎわいづくり」は地元商店街の活性化に取り組む陣野真里さん(長崎県諫早市)、「宿(おもてなし)」は柳川藩主立花邸御花(福岡県柳川市)。同AWARDは22年の西九州新幹線開業時に創設した「西九州観光まちづくりAWARD」を拡大し、今年で3回目。