西九州を「肥前」で一体化し広域周遊を促進へ
2026年09月18日
肥前
長崎県北部と佐賀県北西部を一つの観光圏として売り込む新たな取り組みが始動した。「西九州させぼ広域都市圏協議会」とハウステンボス(HTB、佐世保市)は、両県にまたがるエリアを改めて「肥前」と定義し、広域連携による長期滞在型観光を推進する「一般社団法人肥前」を設立した。7月28日付で法人を設立し、9月17日に佐世保市内で事業概要を発表した。
西九州には島や温泉などの自然に加え、豊富な食材や食文化、陶磁器や窯元、海外との交流や祈りの歴史など多彩な観光資源が集積する。一方、2025年の延べ宿泊数はコロナ禍前の水準を下回り、旅行者の52・4%が1泊で帰っている。インバウンド比率も7・1%と九州平均の27・5%を大きく下回る。こうした課題を踏まえ、行政区域にとらわれず観光資源を「肥前」という共通ブランドで束ね、周遊や長期滞在を促すことで、観光消費の拡大や関係人口の創出につなげる。
具体的には、26年度を「実装準備フェーズ」、27~29年度を「本格始動~拡大・定着フェーズ」と位置付ける。新法人が肥前エリアを横断した戦略設計、観光資源開発、マーケティング・プロモーションを担う。26年度は「食」を重点テーマに、地域の食材や食文化を学ぶ人材育成事業「食人材アカデミー(Culinary Atelier)」や「食体験イベント」を展開。食を軸とした地域のリブランディングと情報発信にも取り組む。
さらに、地域の歴史や文化を体感できる宿泊・飲食施設「Cultural Auberge」や、地域文化を生かした体験商品「Cultural Experience」の開発を支援する。27年度以降はインバウンド誘客や販売支援を強化するほか、自治体や民間企業の参画を広げ、地域DMOや観光協会、一次産業従事者、窯元、宿泊・飲食事業者などとの連携を深める。
設立会見=写真=には、西九州させぼ広域都市圏協議会会長を務める宮島大典佐世保市長、HTBの髙村耕太郎社長CEO、新法人の江﨑信友理事長が登壇。江﨑理事長は「『肥前』という名には、県や市町の境界を超え、一つの大きな西九州エリアとして地域の皆さまと共に挑む覚悟を込めている」と説明。「国内外から訪れる皆さまに本物の価値を特別な時間の中で体験していただき、『また戻ってきたい』と思える地域づくりにまい進したい」と意気込みを語った。


