「王毅・岩屋会談」はどう報じられたか
2026年09月30日
【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第405回)
『人民日報』2026年9月29日付2面に「王毅、日本国際貿易振興協会会長の岩屋毅氏と会談(王毅会見日本国際貿易促進協会会長岩屋毅)」という記事が掲載されました。日本でも同様の報道はされていますが、『人民日報』も大きく取り上げています。
『人民日報』では「王毅氏は、日本国際貿易促進振興協会(JITA)は設立以来、日中友好に尽力してきた著名な非政府友好団体である」と述べ「特に日中関係が困難や危機に直面した際、JITAは中国に対する友好的な姿勢を維持し、日中関係の政治的基盤を堅持してきたと評価した」とのことです。さらに、今年は東京裁判80周年を迎え、日本は再び歴史の厳しい目にさらされており、もし日本が歴史から学ぼうとせず、戦後の「平和憲法」に異議を唱え、侵略の歴史を美化し、戦争犯罪人を復活させようとするならば、世界に立ち向かうことはおろか、未来を築くことなどできず、未来そのものを失うことになるとしています。
また、来年が日中関係正常化55周年にあたることに王毅氏が触れたことも記されています。「現在の日中関係は再び深刻な状況に直面しており、改めて正常化が求められており、日本にとって喫緊の課題は、台湾問題に関する指導者たちの誤った言動を早急に是正し、歴史問題に対する正しい姿勢を確立すること、そして中国に対する客観的かつ理性的な理解を深めることである」と述べたとのことです。
日本では「台湾発言」の撤回を行うことで日中関係が改善されるという部分がクローズアップされて報じられています。しかし、中国でも同じ部分の報道はあるものの、どちらかというと日本の歴史認識をクローズアップして報道されているようです。そして、中国側の「現在の日中関係は再び深刻な状況に直面」との発言からは、日本との関係回復を希望しているように見えます。
●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。


