裁判所資料にも電子の波
2026年10月09日
【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第408回)
『人民法院報』2026年10月8日付1面に「最高人民法院と国家档案局が《人民法院における電子資料単一管理の推進に関する通知》を共同で発出(最高人民法院、国家档案局聯合印発《関于人民法院推行電子档案単套管理的通知》)」という記事が掲載されました。最高人民法院と国家档案局は、人民法院(裁判所)における資料を紙ではなく電子資料を原本として保管するための通知を共同で発出したとのことです。
ここだけ見ると、日本の裁判所より中国の人民法院の方が電子化という面ではかなり進んでいるといえます。しかし、中国の人民法院の問題として、判決がすべて公開されていないなどの問題があります。人民法院内のすべての資料を電子化することにより、今後判決の公開も容易になるものと思われます。その一方で、資料の消去も行いやすくなり、政治的にも重要な判決や、その判断に至る過程の資料などがさらに一般市民からは見にくくなるのではないかという懸念もあります。
●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。


