連結子会社「黒崎播磨」にTOB

 日本製鉄(東京)は8月1日、連結子会社で耐火物メーカー大手の黒崎播磨(北九州市)を株式公開買い付け(TOB)で完全子会社化すると発表した。取得額は約758億円。日鉄は現在、黒崎播磨株の46.42%を保有する。両社の連携を強化し、効率的な経営体制を構築して海外展開の拡大も目指す。TOBが成立すれば、黒崎播磨の株式は上場廃止となる。
 TOBは2026年2月上旬に開始予定。1株当たりの買い付け価格は4200円で、7月31日の終値に約22%を上乗せしている。黒崎播磨は国内外の製鉄所の高炉で使うレンガなどを製造し、25年3月期連結決算の売上高は約1779億円、最終利益は約125億円。東京証券取引所プライム市場と福岡証券取引所に上場している。同社は同日、日鉄のTOBに賛同すると表明した。
 日鉄は脱炭素化に向け、九州製鉄所八幡地区(北九州市)の高炉を電炉に転換する計画を進めており、完全子会社化により黒崎播磨は電炉向け耐火物の開発を加速させる。海外事業ではインドや欧州に加え、北米での展開も拡充する。

九州製鉄所八幡地区(北九州市)