食糧安全保障と米中関係観
2026年05月15日
【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第367回)
『人民日報』2026年5月14日付2面に「李洪中氏、食糧安全保障法実施状況視察会議で強調:食糧安全保障法の包括的かつ効果的な実施を推進し、国家食糧安全保障の基盤強化のための法治保障を提供(李鴻忠在粮食安全保障法執法検査組会議上強調:推動粮食安全保障法全面有効貫徹実施 為夯実国家粮食安全根基提供法治保障)」という記事が掲載されました。これによれば、全国人民代表大会常務委員会副主席の李洪中氏は13日、北京で開催された全国人民代表大会常務委員会食糧安全保障法実施状況視察団の第1回全体会議を主宰し、演説を行い、習近平・総書記の国家食糧安全保障に関する重要論説と党中央委員会の決定・指示を徹底的に研究・実践し、国家安全保障の包括的な理念を実践し、食糧安全保障法の包括的かつ効果的な実施を推進し、国家食糧安全保障の基盤強化のための法治保障を提供する必要性を強調したとのことです。
昨今の原油不足問題で、中国も食料安全保障を特に力を入れているのかもしれません。しかし、それであっても「法治」の強調も忘れない点には驚かされます。
また、その他にも同日付同紙3面の「中国と米国間のより深く実践的な人的交流を促進する(推動中美両国民間交往走深走実)」では、トランプ米国大統領と習近平・国家主席との北京での首脳会談が迫っているためか「中国と米国は歴史、文化、社会制度、発展の道筋において違いがあるものの、両国民は親切で友好的、勤勉で現実的で、両国民は祖国、家族、そして生活を愛し、相互の善意と利益を共有している。まさにこうした国民間の相互交流こそが、幾度となく米中関係を崩壊の危機から救ってきたのである」と米国を相当持ち上げる言説が書かれました。
●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。


