川内原発に「乾式貯蔵施設」申請

乾式貯蔵施設のイメージ

 九州電力(福岡市)は10月24日、川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)の敷地内に、使用済み核燃料を一時保管する乾式貯蔵施設を新設すると発表した。原子力規制委員会に設置許可を申請し、鹿児島県と薩摩川内市にも安全協定に基づく事前協議書を提出した。2027年度に着工し、29年度の運用開始を目指す。総事業費は350億円を見込む。
 乾式貯蔵施設は、燃料プールで一定期間冷やした使用済み核燃料を金属容器「キャスク」に収納し、循環する空気で冷やして保管する。鉄筋コンクリート製の建物(幅40メートル、奥行き約40メートル、高さ約15メートル)で、使用済み燃料集合体を最大560体保管できる。川内原発のプールは9月末時点で1号機が約7割、2号機が約8割埋まっている。
 使用済み核燃料は青森県六ケ所村の再処理工場で再利用される計画。しかし、完成が繰り返し延期されており、現在は26年度の完成を目指す。乾式貯蔵施設が稼働すれば、再処理工場への搬出が遅れても38年までの貯蔵が可能になる。九電はすでに玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)で960体の燃料を保管できる乾式貯蔵施設の建設を始めており、27年度の運用開始を目指している。