ファンド活用「事業承継」第1号

左から、嘉藤・北九州銀行頭取、片山・北九州市副市長、山口・YMFGキャピタル社長、三浦一将氏

 北九州市と山口フィナンシャルグループ傘下のYMFGキャピタル(旧山口キャピタル、山口県下関市)は11月26日、後継者不足の中小企業と経営者を目指す人材をつなぐサーチファンドを活用した事業承継が成立したと発表した。両者の「中小企業の事業承継推進に関する連携協定」に基づく第1号案件となる。
 サーチファンドは事業承継で合意できれば、後継者候補の「サーチャー」がファンドからの投資を得て経営権を取得できる。今回、クリーニングやレンタル事業を手掛けるオーリック(北九州市)を元市職員の三浦一将氏が承継し同社の専務に就任。同氏とYMFGキャピタルが出資する特定目的会社(SPC)が全株式を取得した。北九州市と山口キャピタル(当時)は2023年9月に連携協定を締結。事業承継セミナーなどを共同で開催してきた。同市内の中小企業は4割以上が後継者不在で、そのうち2割が第三者への事業承継を検討しているという。