大迫HDの関連会社に事業譲渡

駅弁「かしわめし」

 JR折尾駅(北九州市八幡西区)で大正期から販売されている駅弁「かしわめし」を製造・販売する東筑軒(同市)が10月1日、不動産業などを手掛ける大迫ホールディングス(HD、福岡市)の関連会社に事業譲渡したことが分かった。大迫HDは地図情報大手ゼンリン(北九州市)の創業家の資産管理会社。譲渡額は非公表。
 譲渡先は同HDが設立した新「東筑軒」。商号や本店所在地、事業内容は変えず、従業員の雇用も維持するという。東筑軒は1921(大正10)年に創業し、55年に現在の商号となった。JR折尾駅のホームでの立ち売りで知られ、同駅などでうどん店も展開している。民間調査会社によると、同社はピークの92年5月期に約12億6000万円の売り上げを計上したが、駅弁購入者の減少で2024年5月期は8億9855万円に落ち込み、8期連続の赤字となっていた。原材料費の高騰などで経営状況が悪化する中、事業譲渡により「かしわめし」を存続させる。