旧沖縄三越跡地の再開発いよいよ始動
2026年09月25日
沖縄県
大和ハウス工業(東京)が主体となって再開発を手掛ける旧三越跡地で、商業施設とホテルが入居する複合ビルの建設が始動した。2028年春ごろに解体を終え、30年末の完成を目指す。計画によれば施設は13階建てで、1、2階に海外ブランドのテナントを置く。3階以上に入居予定のホテルは、国内初ブランドの進出を予定しているという。敷地面積は約3580平方㍍で、延べ床面積は約2万110平方㍍。
同ビルは、地場建設業の大城組(浦添市)が設立した大越百貨店が前身。1970年10月に三越と業務提携し、沖縄三越に名称を変更した。91年4月には新館を増築したが、2000年代に入ってからの来店客の減少と事業拡大による過大な投資などで負債が急増。地元企業や金融機関から支援を受けて再建を図ったものの思うように成果が上がらず、14年9月に閉店した。その後、沖縄三越は地元百貨店リウボウ(那覇市)の傘下に入り、商号はリウボウ商事へと変更された。
同ビルの新たな活用方法を模索していたリウボウ商事は15年3月、ポケモンストアや吉本興業などが入るエンターテインメント施設「HAPiNAHA(ハピナハ)」を開業。しかし、旧沖縄三越と地権者との賃貸借契約の関係で、当初から営業期間は17年6月までの期限付きだった。また、リウボウ商事が中心となった再開発を計画していたが、地権者や那覇市などとの協議が不調に終わり実現しなかった。それでも、ハピナハの閉店から1年半後の18年12月、食をテーマにした商業施設「琉球王国市場」が開業し、事態は落ち着いたかに見えた。しかし、管理・運営会社が半年後の19年5月に破綻したため、同ビルは3度目の休業状態に陥った。
同ビルが四たび、再生に向けて始動したのは、その9カ月後のこと。全国に飲食店をFC展開するほか、宿泊施設の運営、飲食ビルのプロデュースなどを手掛けるスパイスワークスホールディングス(東京)が新たな運営企業として名乗りを上げ、20年2月に娯楽性の高い飲食店約30店舗が入居する「国際通りのれん街」をグランドオープンした。
他方、14年9月に旧沖縄三越が閉店して以降、なかなか進まなかった同ビル周辺の再開発が始動したのは、譲渡に難色を示していた地権者の一部が24年から昨年にかけて第一交通産業グループへの譲渡を決めたことがきっかけとなった。リウボウ商事のほか、久高木材(那覇市)やオーエスジー(浦添市)といった大口の所有者も土地や建物の所有権移転に応じた。隣接するマンションや立体駐車場の跡地まで含めて一体的に再開発するという方向性もまとまった。一連の決断には、老朽化が進んだ施設を取り壊した上での再開発しか選択肢が残されていなかったこともあった。再開発の決定により、のれん街は昨年3月末に営業を終えた。
開発を主導する大和ハウス工業は、豊見城市にある大型商業施設「沖縄アウトレットモールあしびなー」など県内で複数の大型開発に携わってきた実績を持つ。国際通りのほぼ中央という立地の良さから注目度の高い再開発の今後の行方が注目される。


