「ジョイフルグループ」3年連続トップ

 帝国データバンク福岡支店は、2024年度(24年4月期〜25年3月期)の九州・沖縄の外食産業売上高ランキングを発表した。上位50社の合計売上高は前年度比11.1%増の4144億2100円で、2年連続で増加した。物価上昇を背景とした価格改定やインバウンド(訪日客)の増加が業績を押し上げたほか、地場企業の積極出店や既存店の改装も寄与した。
 売上高トップはファミリーレストラン運営のジョイフルグループ(大分市)で3年連続。「だんご汁定食」など九州名物をメニューに投入し、売上高は11.7%増の約659億5700万円だった。2位はラーメン店の「一蘭」(福岡市)。主要都市部の店舗でラーメンを値上げしたほか、ディスカウントストアや免税店での物販のインバウンド需要が高く、売上高は21.6%増の約326億8000万円。3位はJR九州ファーストフーズ(同市)で、前年の4位からワンランクアップした。「ケンタッキーフライドチキン」「ミスタードーナツ」「スターバックス」などのフランチャイズ事業が堅調で、売上高は15.8%増の約198億8000万円となった。
 売上高伸び率のトップは「梅の花サービス」(福岡県久留米市、旧梅の花サービス西日本)。全国で豆腐料理専門「梅の花」、かに料理専門店「かにしげ」などを展開しており、グループ会社(梅の花サービス東日本、梅の花サービス九州)を吸収合併し、売上高は197.0%増の約142億3600万円だった。
 売上高が増加する一方で、原材料費や人件費などのコストが上昇。収益面では厳しい状況が続いており、損益が改善した企業は前年と同数の24社にとどまった。コロナ関連融資の返済が本格化したこともあり、24年度の九州・沖縄の飲食店の倒産件数は65件と過去2番目の高水準となった。同支店は、今後の動向には引き続き注視が必要としている。