「司法の精緻さで科学技術革新を守る」らしい

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第362回)

 『人民法院報』2026年4月21日付1面に「司法の精緻(せいち)さで科学技術革新を守る(以司法精度護科創高度)」という記事が掲載になりました。これによれば、安徽省の合肥市中級人民法院が電子工学企業による医療機器分野の営業秘密侵害事件に対して、専門的な司法判断によって科学技術革新の保護という課題を解決したとしています。この判断に対して『人民法院報』は司法が精密ならば、科学技術革新が保護されるとしているのです。さらに、医療機器分野の賠償請求としては新記録を打ち出したとも述べられています。
 しかし、これまでも中国では特許訴訟などにおいて、司法が科学技術を保護する判断はかなりの数行われていました。そのため、この報道は特に新規性があるものとは言い難い面があります。もっとも、この記事が『人民法院報』に掲載され、さらに最高人民法院もこの判断を支持していると記載されているため、この判断が中国の司法全体の流れとなる可能性があります。この意味ではこの報道も重要なものと言えるでしょう。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。