独自の対策で人口を維持
2026年06月04日
宮崎県都城市
5月29日に公表された国勢調査速報(2025年実施)によると、宮崎県都城市の人口は16万340人だった。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が23年に予測した市の人口15万4967人を上回る結果となった。これまでの人口推移を見ると、10年は16万9602人、15年は16万5029人、20年は16万640人。緩やかに減少してはいるものの、16万人台を維持しており、県内26市町村の人口増減率を比較すると市の減少率は最も低い。
県内はもとより、地方都市の人口減少が全国的な課題であるなか、市の人口が「微減」でいられる理由は何か。池田宜永市長は「独自に取り組んでいる人口戦略の大きな成果」と胸を張る。市長の言う人口戦略とは、手厚い移住支援と目玉施策の一つ「3つの完全無料化」を指す。市は23年度に「10年後に人口増加へ」という目標を掲げ、①第1子からの保育料を完全無料化②中学生までの医療費を完全無料化③妊産婦の健診費用を完全無料化 ー を同年度から実施。妊娠期から子育て期までの家庭を一気通貫で支援している。
移住支援については、10年以上の市内居住などを条件に、単身には最低60万円、世帯には最低100万円を市が給付。移住先が中山間地であったり、子を持つ家庭には補助が加算される。市の施策をきっかけに、市への移住者数は21年度で362人、22年度で435人だったが、23年度は3710人、24年度は2256人、25年度は1713人と大幅に増加。これらは、市の施策を活用した人がカウントの対象であるため、実際の移住者はもう少し多いとも予想される。
手厚い支援の財源は、幾度も日本一の座を手中に収めたふるさと納税の寄付金だ。産品の和牛と焼酎を中心に全国から人気を集め、25年度の寄付額は昨年12月末時点で202億3000万円に達し、それまで最高額だった22年度の195億9000万円を超えて、初めて200億円を突破した。
また昨年3月には、市と鹿児島県志布志市をつなぐ都城志布志道路(全長44キロ)が全線開通し、都城市内の複数のインターチェンジで産業団地が造成され、食品メーカーの工場など立地が進む。市は企業誘致がどの程度、移住者増に結びついたかまでは把握できないとするが、関係人口の増加につながることは間違いない。
6月1日の定例会見で池田市長は「人口戦略は究極のインフラ整備」と強調しており、今後も人口増加を目指した施策を図っていく姿勢だ。


