総出荷量3年連続減も打開策なし

琉球泡盛は総出荷量の減少傾向が続く

 沖縄県内の泡盛メーカーが、解決の糸口が見えない問題に頭を悩ませている。
 県酒造組合は、昨年の琉球泡盛の総出荷量(海外輸出を含む)はアルコール度数30度換算で前年比5.7%減の1万1773㌔㍑だったと発表した。総出荷量の減少は3年連続で、コロナ禍前(19年)の7割の水準という。総出荷量の約8割を占める県内分は同6.9%減の9164㌔㍑で、県外分は同0.9%減の2533㌔㍑。うち海外輸出は同21.7%減の36㌔㍑だった。2018年から官民一体で取り組む「琉球泡盛海外輸出プロジェクト」は輸出目標を100㌔㍑に設定しているが、低空飛行が続いている。
 減少傾向が続く要因を同組合は「若者のアルコール離れや飲み方の多様化、低アルコール飲料の需要拡大などが背景にある」と分析。「今後は、国内外でのイベント出展やSNSでの魅力発信など、若者やインバウンドを意識したプロモーションをこれまで以上に強化して需要拡大を図りたい」としている。しかし、厳しい状況の打開策は見当たらず、地道な努力を継続するほか手はないのが実情だ。
 琉球泡盛の総出荷量は04年をピークに減少傾向が続く。22年は本土復帰50年で沖縄への関心が高まったことなどを要因として18年ぶりに増加したが、23年は再び減少に転じた。24年12月、琉球泡盛を含む「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されたのを機に、同組合は記念イベントなどを実施して認知度の向上や新たな愛飲家の獲得に努めているが、需要回復には至っていない。他方、県内の酒造所44社のうち23社が赤字で、営業損益の合計は昨年より1億3000万円以上も多い2億8200万円の赤字だった。黒字を確保した酒造所では、アルコール度数を抑えて飲みやすさを追求した新商品がけん引したという。
 他方、昨年の製造量は同6.0%増の1万2451㌔㍑だった。3年ぶりに前年を上回った要因を同組合は「各酒造所の在庫調整や、24年5月に始まった酒税軽減措置の段階的削減に伴う値上げ前の駆け込み需要により同年が大幅減となったことの反動」と説明する。
 この発言にある「酒税軽減措置の段階的削減」への対応は、各酒造所にとって頭の痛い問題となっている。今年5月15日には2回目の軽減率の引き下げがあり、県内酒造所のうち年間出荷量が200㌔㍑以上、1300㌔㍑未満の10社程度が対象になった。ちなみに1回目は、年間出荷量が1300㌔㍑を超える3社が対象だった。さらに、29年にも軽減率の引き下げが実施され、32年には酒税軽減措置が完全に廃止される。ある酒造会社社長は「酒税の増額分を経営努力でカバーするには限界がある。原油不足を要因として、あらゆるものが値上がりしており、間違いなく商品に転嫁せざるを得なくなるだろう」と苦しい胸の内を吐露する。
 そうしたなか酒造関係者が期待するのが、今後の観光客の増加だ。25年度の観光客数はコロナ禍前(18年度)を上回り過去最高を記録したが、今秋の首里城正殿の復元といった追い風もあり、さらなる上乗せが確実視されている。同組合は「沖縄を訪れたより多くの人が琉球泡盛に触れる機会を創出し、需要の拡大に努めたい」と語る。