江沢民元国家主席生誕100周年の講話の中の「法治」
2026年08月19日
【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第394回)
中国では2026年8月17日に、江沢民生誕100周年記念大会が開催されました。そのなかでの習近平・国家主席の講話では、江沢民・元国家主席の業績説明があり、その一部分は以下のようなものでした。
あらゆる面で適度に豊かな社会を建設し、第三段階の戦略目標を達成するための先見的な計画を立て、機会を捉え、改革を深化させ、開放を拡大し、発展を促進し、安定を維持するという基本原則を提案し、社会主義近代化における12の主要な関係を正しく扱うことについて包括的に詳述し、発展を国家の統治と復興における党の第一の任務とすることを堅持し、全国の党全体と各民族の人々を建設に集中させ、心から発展を追求するように導き、社会主義民主主義を積極的に発展させ、法治国家の基本戦略を実行し、先進的な社会主義文化を発展させるように導き、新時代の軍事戦略指針の策定を主導し、中国の特色ある軍事変革を促進し、人民解放軍の革命的、近代的、正規化された建設を強化しました。香港とマカオの円滑な返還を主導し、一つの中国原則を体現する台湾海峡両岸間の「92年コンセンサス」を推進し、分離主義と「台湾独立」に対する主要な闘争を精力的に遂行した。また、一連の外交的・国際的戦略思想を提示し、多極化と経済のグローバル化を正しい方向に推進した。
残念ながら、「法」に関しては「法治国家の基本戦略を実行」の一言だけで、具体的に何をやろうとしたのかまったく不明なものとなりました。しかし、それであっても、何らかの「法治」に関する業績の説明はせざるを得ないというのが、現在の中国の立ち位置なのでしょう。すなわち、江沢民・元国家主席の業績の説明についても、少なくとも「法」の話題に触れる必要があったということです。この姿勢は一応中国の「法治」にとっては意義があることと言えるかもしれません。
●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。


