「メタネーション設備」実証運転

 西部ガス(福岡市)は6月5日、水素と二酸化炭素(CO2)で都市ガスの原料となる合成メタンをつくる「メタネーション」設備の実証運転を開始した。合成メタンは「eーメタン」と呼ばれ、回収したCO2を原料とするため脱炭素化の切り札の一つとされる。同社は2030年度をめどにeーメタンの商用化を目指している。
 実証設備は液化天然ガス(LNG)受け入れ拠点「ひびきLNG基地」(北九州市)に設置。環境省の補助を含めた総事業費は約10億円。IHIや九大などと協力し、基地のボイラーから回収したCO2と再生可能エネルギー由来の電気で水を分解して発生させた水素を使ってメタンをつくる。製造したガスは既存の導管を通じて企業に供給する計画。eーメタンの製造コストはLNGの約5倍とされており、原料の現地調達によりコスト低減を目指す。