国が洋上風力「有望区域」に指定
2025年10月07日
福岡県・響灘沖

福岡県は10月3日、北九州市と芦屋町、岡垣町にまたがる響灘沖で計画する洋上風力発電事業について、具体的な検討に入る「有望区域」に格上げされたと発表した。今後、県は国や関係自治体、地元漁協、船舶事業者などでつくる法定協議会を設置。事業化に向けた協議を始め、事業者を公募できる「促進区域」の指定を目指す。
県の想定では、響灘の沖合51平方キロメートルの海域に着床式の洋上風車を34基設置。想定出力は約50万キロワットで、原子力発電所1基のおよそ半分に相当する。事業費は約5100億円の見込み。響灘沖は2021年9月に「準備区域」に指定されていた。洋上風力を巡っては、秋田、千葉両県沖で事業を進めていた三菱商事などの企業連合が、建設コストの高騰などを理由に8月下旬に撤退を発表。国は制度の見直しを進めている。
響灘では、北九州市も洋上風力に取り組んでいる。九電みらいエナジー(福岡市)や電源開発(東京)などが出資する事業主体の「ひびきウインドエナジー」が、25年度中の運転開始に向け「北九州響灘洋上ウインドファーム」の建設を進めている。風車は25基(計22万キロワット)で、総事業費は約1700億円。