26年度「賃上げ」85.8%が実施予定

 東京商工リサーチ福岡支社は3月2日、九州・沖縄企業の2026年度「賃上げ」に関するアンケート調査の結果を発表した。賃上げを予定する企業は85.8%と25年度(実績値)の82.5%を3.3ポイント上回り、5年連続で80%台となる見込み。ただ、大企業では「実施する」が90.0%に達したが、中小企業は85.6%にとどまった。
 業種別で実施すると回答したのは「農・林・漁・鉱業」が100%で最多。「運輸」95.6%、「卸売り」90.9%、「建設」89.5%、「金融・保険」88.8%、「製造」88.0%と続いた。一方で「不動産」は57.1%と6割を下回り、「小売り」75.0%、「情報通信」75.0%の順で低かった。賃上げ率「5%以上」は「運輸」「情報通信」が66.6%と最多で、人手不足が深刻で高率の賃上げに踏み切る傾向がみられた。
 賃上げの理由(複数回答)については「従業員の離職防止」が最多の84.4%で、「農・林・漁・鉱業」は100%だった。次いで「物価高への対応」63.3%、「新規採用を円滑にするため」50.3%と続いた。賃上げの内容は「定期昇給」が72.6%で最多。次いで「ベースアップ」56.5%、「賞与(一時金)の増額」39.7%の順。また「新卒者の初任給の増額」は大企業が29.4%だったのに対し、中小企業は22.5%と、企業規模が大きいほど新卒採用に注力する姿勢が表れた。
 賃上げを実施しない理由(複数回答)は「コスト増加分を十分に価格転嫁できていない」が49.0%で最多。「原材料価格・電気代・燃料費などが高騰している」43.6%、「受注の先行きに不安がある」30.9%、「既往債務の返済に影響を与える」18.1%だった。一方、「25年度の賃上げが負担となっている」は16.3%で、大企業を中心に人件費が固定的に増加することで負担感の強さを感じる企業が多くなった可能性がある。