再びのレアメタルを巡る日本人拘束と法治
2026年08月12日
【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第393回)
本記事と合わせて、「高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第387回)レアメタルを巡る日本人拘束」(財界九州on-lineウェブサイト、2026年7月22日更新)もお読みください。
https://www.kyushu01.com/zaikaikyushu/news/detail/4c8e4a71-c760-4942-af4d-bc17292ca848
今年7月に続き、再びレアメタルを巡る日本人の拘束が報道されました。特に、中国から日本へのレアメタル輸出が強化される中で、中国にある日本企業への立ち入り調査などが頻発しており、中国当局からの聴取のために中国に入国したら拘束されたという例もあるそうです(注1)。
2026年7月22日配信の本連載の中でも述べましたが、中国は現在、対日本向け輸出とレアメタル輸出について輸出規制を強化すべく、さまざまな通達を発布しています。この通達自体も、簡素な規定でどのようにも解釈できるのですが、一応の根拠があるということです。そして、最近の中国当局は「法治」を謳(うた)っており、このような拘束に対しても、法的根拠があるため「法治を徹底しただけだ」と言ってくるでしょう。聴取のために中国へ出向いたら拘束されたということについても、法違反をする者(レアメタル輸出規制強化に対し裏技的方法で対応しようとしている企業の責任者)が国内に入ってきたら拘束するというのは当然のことでしょう。
もっとも、今まで事実上通用していた方法が突然通用しなくなり、裏技的輸出方法を使わざるを得なかったという側面はあります。しかし、中国当局が「法治」などを口に出す場合は、法の下に拘束などを行おうとしている側面があるということは注意しておきましょう。日本でいう「法治」と、中国のそれは位置づけが異なるのです。
〈注〉
(1) 「中国で複数邦人の拘束が判明 当局聴取に日本から出向いた例も」(毎日新聞ウェブサイト)〈https://mainichi.jp/articles/20260810/k00/00m/030/370000c〉(2026年8月11日更新、2026年8月12日閲覧)
●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。


