習近平氏とトー・ラム氏の会談

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第361回)

 『人民日報』2026年4月16日付1面に「習近平国家主席、ベトナム共産党総書記兼国家主席のトー・ラム氏と会談(習近平同越共中央総書記、国家主席蘇林挙行会談)」という記事が掲載されました。
 これによれば、4月15日午前中、習近平・党総書記兼国家主席は、中国を公式訪問中のベトナム共産党総書記兼国家主席のトー・ラム氏と、北京の人民大会堂で会談を行ったとのことです。特に、トー・ラム氏が選出直後に中国を訪問したことを受けて習近平氏が「近隣外交において常にベトナムを最優先事項とし、ベトナムと協力して友好関係を継続し、団結すると述べた」としています。
 これは非常に大きな変化があると言えます。中国とベトナムは、これまで犬猿の仲と言えるほど、互いの友好度が低い関係でした。それは国家間だけでなく、国民感情としてもそのように感じる人が多くいました。このベト・中の友好関係は政府だけのリップサービスに終わるのか、本当に友好関係が構築されるのか注目が集まります。
 特に、中国がベトナムに対して「最優先事項な近隣外交の関係」と述べたことは、日中関係が冷え込む中、日本への当てつけの側面も否定できません。この点も踏まえて、両国の今後の動きを注視する必要がありそうです。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。