「生態環境保護監督監察業務条例」発布
2025年05月14日
【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第268回)
『人民日報』2025年5月13日付1面に「中国共産党中央委員会と国務院が『生態環境保護監督監察業務条例』を発布(中共中央国務院印発《生態環境保護督察工作条例》)」という記事が掲載されました。これによると、5月12日に発布された同条例に基づき中国共産党中央委員会と国務院は、各地域と各部門に真剣に従うよう求める通達を発表したとのことです。
記事では、同条例が①習近平の新時代の中国の特色ある社会主義の思想に導かれ②習近平の生態文明の思想を全面的に実施し③新時代の生態環境保護監督監察の理論と実務の経験をまとめ④生態環境保護監査特監察の制度メカニズムをさらに改善し⑤党の生態文明建設と生態環境保護監督監察の全面的な指導を堅持・強化し⑥生態環境保護監督監察の仕事を深く前進させるために重要である─と指摘しています。
少々前の中国では生態系がおかしくなるほどの汚染がみられたものの、それももう過去の話になろうとしています。もっとも、それでもこの条例でどれくらい中国の環境問題が改善するのか注視する必要があります。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。