中台平和統一に関するあいさつ

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第306回)

 『人民日報』2025年9月23日付2面に「中国平和統一促進会が第10期第3回常務理事会を開催(中国和平統一促進会召開十届三次常務理事会会議)」という記事が掲載されました。これによれば、9月22日に北京で中国平和統一促進会第10期第3回常務理事会が開催され、中国共産党中央政治局委員で中央統一戦線工作部部長の李干傑氏が中国平和統一促進会執行副会長に選出され、あいさつを行ったそうです。この中では、香港・マカオ・台湾・海外の愛国友好勢力を広く団結・結集し、あらゆる分裂行為に断固反対し、国家利益を堅持して守り、祖国の統一促進に尽力し、各方面の活動で新たな進展を遂げたと述べたとのことです。そして、さらに両岸の交流を深化させ、同胞の親交を深め、中華民族共同体意識を強固にし、反「独」促統の民意基盤を厚く築くべきで、対外的に統一の物語を効果的に伝え、国際社会の理解と支持を広く得て、有利な外部環境を整えるべきであるとも述べたといいます。
 日本では、とかく中国の台湾への武力侵攻が話題となりがちですが、中国は台湾との「交流の深化」や「同胞の親交」とまずは交流することを前提に述べています(むろん、リップサービスかもしれませんが)。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。