2024年度の「売上高」1.3%増

岩田屋本店(福岡市)

 帝国データバンク福岡支店がまとめた九州・沖縄の百貨店調査によると、上位10社の2024年度の合計売上高は前年度比1.3%増の1571億1200万円だった。インバウンド(訪日客)需要が追い風となり、福岡市内の百貨店が好調に推移した。一方で、福岡市以外では減収に転じた百貨店も多く、地域間で明暗が分かれた。
 10社中7社が「収益認識に関する会計基準」を適用している。売上高トップは岩田屋三越(福岡市)。福岡市・天神で運営する岩田屋本店と福岡三越を中心に高級ブランドなどが好調で、売上高は6.6%増の418億3400万円(旧基準1329億円)となった。2位には井筒屋(北九州市)が2年ぶりに返り咲いた。24年4月に「井筒屋アプリ」を導入したが、主要顧客の高齢化などで売上高は1.5%減の186億6000万円。3位は鶴屋百貨店(熊本市)で、売上高は3.2%減の185億4000万円。TSMC(台湾積体電路製造)の熊本進出などで買い物客は増加傾向だったが、物価高騰による消費者の節約志向が根強く、衣料品や身の回り品が低調だった。
 博多阪急(福岡市)と佐賀玉屋(佐賀市)は、運営企業の本社が九州外にあるため除外している。参考値では、阪急阪神百貨店(大阪市)が展開する博多阪急は「収益認識に関する会計基準」を適用していない売上高だが、前年度比11.3%増の693億5800万円。佐賀玉屋は店舗改装効果などで18.3%増の52億8300万円だった。