サービス産業の中国のブランド育成
2026年04月10日
【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第359回)
『人民日報』2026年4月9日付1面に「需要主導型改革、技術力強化、そしてオープンな協力の推進:サービス産業の質の高い発展のための新たな展望を切り拓く:李強氏が全国サービス産業会議に出席し講演。丁雪祥氏が閉会の挨拶を述べる(突出需求牽引改革攻堅科技賦能開放合作 努力開創服務業高質量発展新局面:李強出席全国服務業大会併講話 丁薛祥作総結講話)」という記事が掲載されました。
これによれば、中国共産党第18回全国代表大会以降、中国のサービス産業は着実に規模を拡大し、質と効率を継続的に向上し、国民生活のニーズを満たし、雇用拡大を牽引する上で、極めて重要な役割を果たしているとのことです。そして、4月7日から8日にかけて北京で全国サービス産業会議が開催され、李強・国務院総理がここで演説を行い、習近平・国家主席が、サービス産業の発展に関する重要な指示を行っていると指摘したとも述べています。
この指示では、習近平・国家主席は、以下の点について「尽力することが不可欠である」と強調したようです。その内容は①新たな歩みにおいて、新時代の中国の特色ある社会主義に関する習近平思想の指導を堅持し、新たな発展理念を完全かつ正確に実行し、需要主導型発展、改革努力、技術力強化、開放的協力を重視すること②サービス産業の拡大・改善行動計画を深く実行すること③生産者サービスの専門化とハイエンド・バリューチェーンの拡大を促進すること④消費者サービスの高品質・多様化・利便性の向上を促進すること⑤より多くの「中国サービス」ブランドを育成すること⑥サービス産業の質の高い発展のための新たな展望を創造すること─などです。
ここで重要なのはやはり「中国サービス」のブランド育成でしょう。中国は、すでに人型ロボットなどにおいて世界の最先端を走るようになりました。これに続いて、サービス産業でもその質の高さを世界に知らしめたいものと思われます。
しかし、このような産業省令を正式な通知ではなく、国務院総理を通じて口頭で伝えるというのはどうしたことでしょう。中国は、どのような通知が出ているのか分かりにくい面がありますが、さすがに口頭でそれを明らかにするという方法は驚きです。
●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。


