“法に基づいて”五カ年計画スタート
2026年05月01日
【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第364回)
『人民日報』2026年4月30日付1面に「法に基づき職務を遂行し、代表の役割を十分に発揮することで、第15次五カ年計画の好スタートに貢献する(依法履行職責発揮代表作用 為実現“十五五”良好開局貢献力量)」という記事が掲載されました。これによれば、同月29日に開催された第14期全国人民代表大会常務委員会第22回会議メンバーによるシンポジウムで、趙楽際・全国人民代表大会常務委員長は「習近平総書記の第14期全国人民代表大会第4回会議における重要な演説と精神を真しに学び理解し、法に基づき職務を遂行し、代表の役割を十分に発揮することで、第15次五カ年計画の好スタートに貢献する必要性を強調した」ということです。さらに、今年採択された三つの重要法、すなわち「生態環境法」「民族団結発展促進法」「国家発展計画法」を積極的に学習・周知し、日々の業務や生活において法の擁護者としての役割を果たし、法治の精神を推進し、法の施行を支援するべきであるとも述べたといいます。
しかし、ここに挙げられた三つの重要法は、いずれも直接市民の権利のための法ではありません。市民に義務を課す法律であっても法治が強調されるのか、中国の「法治」とは結局、国家権力が市民に義務を課すためのものなのか、中国式「法治」のあるべき姿が問われています。
●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。


