「党が繁栄すれば、国家が繁栄する」理論再び

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第378回)

 『人民日報』2026年6月17日付4面に「新時代における党建設強化のための基本指針(加強新時代党的建設的根本遵循)」という記事が掲載されました。これによれば、中国の国政運営の鍵は党にあり、党の使命と任務を果たすためには、より強く、より力強い党を建設しなければならないとのことです。そして、この目的のために、習近平を中心とする中国共産党中央委員会は、第18回全国代表大会以降、どのような長期的支配政党であるマルクス主義政党を建設すべきか、また、そのような政党をいかに建設すべきかという現代の主要課題について、一連の新たな概念、新たな思想、新たな戦略を打ち出してきて、それにより習近平の党建設思想を形成し、マルクス主義党建設理論の中国化と近代化という新たな領域を切り開き、習近平新時代中国特色社会主義思想の党建設章を構成し、新時代における党建設強化のための基本的指針を提供してきたとしています。
 中国当局幹部がこのように考えていてもおかしくはありません。しかし、『人民日報』という不特定多数が読む媒体に、いまだに党が先にあって、その後、国家が存在するという前提の話をしていることになります。この点で中国は、西洋型の国家理論とは全く異なる論理で国家運営をしていることが明らかですし、西洋型国家理論から生まれた三権分立や法治なども受け入れられないとしているようにも見えます(別の場では「法治」と散々強調しているのに…)。
 このような主張から外国の中国に対する態度などや批判する姿勢などに変化が表れるのかは注目されるポイントです。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。