新「会社法」解釈の意見公募手続き開始
2025年10月08日
【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第310回)
中国では、2025年10月20日まで「《中華人民共和国会社法》の若干の問題に関する解釈(関于適用《中華人民共和国公司法》若干問題的解釈)」についての意見公募手続きが開始されました。
「《中華人民共和国会社法》の若干の問題に関する解釈」とは、会社法(公司法)はどのように解釈されるのかを最高人民法院が示すもので、事実上の会社法に規定されていない「条文のスキマ」を埋める、新たな立法に近いものです。そして、その新たな会社に関するルールを作成する案について、この案でよいかということを広く社会に聞いているのです。
このように、法案などをこれでよいのか広く社会に聞くことを「意見公募手続き」といい、特に中国は「意見公募手続きを行っているから、中国も法律は民主的に作成されている」という論を主張している傾向にあります。もっとも、法案に対して意見が提出されても、その意見が必ず反映されるとは限らないという点で、民主主義とはかなり異なるのですが…。
しかし、まだ意見公募手続きの段階にあり、案すら固まっていないことになりますが、間もなく中国の会社法に関して新たな解釈指針が示されるということでもあります。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。