沖縄の離島振興策りゅうせき加盟
2026年03月27日
沖縄フィナンシャルグループほか
沖縄本島周辺の離島10町村と県内の3企業が締結していた「離島地域持続可能性推進に関するパートナーシップ協定」に3月、りゅうせき(浦添市)が加盟した。おきなわフィナンシャルグループ(OFG、那覇市)と沖縄セルラー電話(同市)、沖縄電力(浦添市)に次ぐ4社目。りゅうせきの根路銘剛宏社長は「本協定で県内加盟企業と協働し離島地域の発展に貢献することは、当社のパーパス(存在価値)を具体的に体現する取り組み。まずはエネルギー分野での支援からスタートし、各自治体のニーズに応じてグループ全体で幅広く支援していきたい」と抱負を語る。
りゅうせきの加盟式と併せて、企業版ふるさと納税寄付金の贈呈式が行われ、4社から各町村にそれぞれ1100万円が贈呈された。同協定の目的をOFGの地域総合商社、みらいおきなわの譜久村親常務は「企業と離島の自治体が手をつなぎ、地域活性化に向けてウィン・ウィンの関係を築くことにある」と説明する。ちなみに、10町村に沖縄銀行の支店や営業所はない。それでもOFGが離島に経営資源をつぎ込むのは、地域を活性化させ、社会の活力を維持することが長期的にはOFGの利益につながるという発想がある。さらにOFGの山城正保社長(沖縄銀行頭取)の「沖縄本島は、見方を変えれば本州から離れた離島。小規模離島への貢献が、将来的には沖縄全体の活性化につながる」という思いもあった。
取り組みは2022年3月、OFGと座間味村が包括連携協定を締結したことに始まる。翌年1月には周辺離島の9町村が加わり、さらに24年6月、沖縄電力と沖縄セルラー電話が参加。3社と各自治体との4者によるパートナーシップ協定が締結された。
OFGはこれまで10島に16人を出向させ、現在は13人が各町村役場の職員として勤務している。出向者が担うのは、業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化やキャッシュレス化、移住促進、事業の担い手の育成など多岐にわたる。また、島内の中学生を対象にした金融リテラシー教育「くらしとお金の教室」も実施する。さらに、みらいおきなわなどのグループ企業は、職員向けの講習や車両のリースといった事業を展開している。加えて、沖縄電力と沖縄セルラー電話が参加するメリットを譜久村常務は「離島の課題解決に向けて、より広範な事業展開が可能になったこと」と説明する。
例えば沖縄電力は、無電柱化や再生エネルギーの供給体制の構築など、災害への耐性の強化を図っている。さらに、電気やガスの共同検針、見守りサービスなど「少子高齢化に向かう社会の安心・安全を支える仕組みづくり」にも取り組む。他方、沖縄セルラー電話は、災害時にも通信可能なサービスを活用した取り組みや、文科省が推奨するGIGAスクール用のパソコンへの切り替えなど、離島地域の情報通信基盤の高度化を進める。各離島が抱える課題を把握した上で産業創出を後押しする「持続可能な地域づくり」の活動が評価され、昨年3月には地方創生大臣賞を受賞している。


