中国の技術力は「クール」である(らしい)

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第356回)

 『人民日報』2026年3月30日付3面に「中国イノベーションの『クールさ』はどこにあるのか?(中国創新“酷”在哪里?)」という記事が掲載されました。これによれば、3月25日から29日にかけて行われた「2026年中間村フォーラム年大会(2026中関村論壇年会)」では、国際科学技術誌『Wired』の創刊編集者であるケビン・ケリー氏が、中国は人工知能をはじめとする多くの技術分野で最先端を走っており、世界が目指す真の『クールさ』のベンチマークとなることが期待されると述べたとのことです。この言葉によって『人民日報』誌も、中国の技術革新は「クールさ」と先駆的な姿勢があると賞賛しています。
 日本のニュース記事でも、最近では中国のロボットが二足歩行し、さらにはダンスをするなど技術の進歩が著しいことを報じています。その技術力が「クール」と評されて、やや浮かれている状態になっていると言えます。特にこの記事では「これまでの中国の技術力は『模倣』、いわゆる『パクリ』ばかりであるとされていたが、いまや電気自動車では世界をリードし、大規模な人工知能で世界を驚かせるレベルだ」と述べています。
 「技術立国」としての日本をまだ標ぼうするならば、このような中国の技術力を認めた上で、それを超えるようにしなければなりません。しかし、「模倣」ばかりの中国が世界を席巻するわけがないと考えている人は多いように思われます。それでも、そんなことを考えているうちに、中国の科学技術は大きく躍進したのです。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。