労働者の権利保護も公益訴訟で

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第343回)

 『人民法院報』2026年2月5日付6面に「検察公益訴訟が労働者の権益を守る(検察公益訴訟守護労働者権益)」という記事が掲載されました。「検察官が行う公益訴訟制度は中国にとって重要な制度であるが、中国共産党は公益訴訟制度の整備を強化して労働者の権利保護を強化することを明確に要求している」としています。
 通常、公益訴訟というと環境問題など広く一般に向けて全体の利益を対象に行うものであり、労働者の権利という個人の権利は対象にならないように思われます。しかし、労働者が国家の主人公である社会主義国家にとっては「労働者の待遇」そのものが社会的利益ということになるのでしょう。
 これから中国の労働者の権利保護には公益訴訟制度も用いられてくるようになる可能性があります。中国の労働市場の今後に注目が集まります。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。