上海国際金融センターの便利化計画

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第263回)

 『人民日報』2025年4月23日付8面に「上海国際金融センター、クロスボーダー金融サービスの便利化をさらに強化(上海国際金融中心進一歩提升跨境金融服務便利化)」という記事が掲載されました。これによれば、金融制度の開放を深化させるため、中国人民銀行、金融監管総局、国家外為局、上海市人民政府が共同で「上海国際金融センターがクロスボーダー金融サービスの便利化をさらに強化する行動計画(上海国際金融中心進一歩提升跨境金融服務便利化行動方案)」(以下、行動計画)を発表したとのことです。行動計画は、あらゆる主体がより安全、便利、効率的に国際競争・協力に参加できるよう支援するもので、クロスボーダー決済の効率化、為替ヘッジサービスの最適化、融資サービスの強化、保険保護の強化、総合金融サービスの向上など、五つの側面から18の重要な取り組みを打ち出しているようです。
 上海の国際金融都市としての存在感はさらに大きくなりそうです。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。