「旧JR九州本社ビル」売却へ

旧JR九州本社ビル(左)、JR門司港駅(右)

 北九州市は5月22日、門司港レトロ地区(門司区)の活性化に向けて今年度に取り組む事業を発表した。市が保有する旧JR九州本社ビルは、ホテルなどの観光施設として活用するため売却する。外観の保存などを条件に6〜9月に民間事業者から提案を公募し、10月に優先交渉権者を決める。2〜3年後の開業を想定し、事業規模は数十億円を見込む。
 ビルはJR門司港駅前に立地。地上6階、地下1階建てで、1937年(昭和12年)に三井物産門司支店として建てられた。戦後は国鉄を経てJR九州が所有した。老朽化で解体案が出たため、市が2005年に保存目的で土地と建物を取得。19年に市の公募に応じた香港の投資会社がホテル開業を目指したものの、コロナ禍などで資金難に陥って23年に断念している。
 門司港レトロ地区はオープンから30周年を迎える。海峡を挟んだ関門エリアを楽しむことをテーマに、国内外からのドラマ撮影の誘致や歴史スポットを巡る謎解きゲームのほか、レトロ地区での朝市や夜の散歩などを開催する。