中国の発展理念は「国際公共財」
2025年02月21日
【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第245回)
『人民日報』2025年2月20日付1面に「中国の新発展構想はなぜ国際公共財になったのか?(中国新発展理念為何成為国際公共産品?)」という記事が掲載されました。これによれば、ある中国人ではない人物が「中国の新しい発展理念が人気のある国際公共財になりつつある」と評価しているそうです。南半球の多くの国が代表団を送り、中国の都市や村を訪れ、中国の発展経験を学ぼうとしているということです。
中国が自らこのような記事を掲載するということは、既に中国は南半球の国々のモデル国家に自身がなっていることを自覚していると言えます。確かに民主化が達成されていない開発独裁国家の場合、中国と社会体制が似ており、中国を発展の参考モデルにはできる可能性があります。しかし、経済を発展させつつ民主化も目指すというモデルを示すことは非常に難しいでしょう。今後の動きが注目されます。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。