結局のところ中国経済はどうなのか

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第278回)

 『人民日報』2025年6月17日付2面に「5月の経済運行は全体として平穏で、平穏の中でも進んでいる(5月経済運行総体平穏、穏中有進)」という記事が掲載されました。これによれば、6月16日に国務院情報弁公室の記者会見で「5月、政策の組み合わせによる効果、経済の安定と発展の促進効果が引き続き発揮され、国民経済全体の運営は安定し、質の高い発展の勢いが続いた」と述べたそうです。
 最近、筆者も中国へ行きましたが、現地の肌感覚からするとそのとおりという気がします。これまでは不動産バブルの崩壊に伴い、中国経済は非常に悪い状態になっていると報じられてきました。しかし、既に現在の中国の経済感覚は「安定している」という判断が生まれる状況になっています。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。