対米「自動車輸出」66%減

日産自動車九州(福岡県苅田町)

 門司税関が6月18日に発表した九州経済圏(九州、山口、沖縄)の5月の貿易統計(速報値)によると、米国向けの輸出額は前年同月比49.1%減の878億円で、2カ月連続のマイナスとなった。主力の自動車が66.0%減の403億円と大幅なマイナスで、下げ幅は全国(24.7%)を上回った。米トランプ政権による関税政策の影響が広がってきたとみられる。
 自動車は九州経済圏で最大の輸出品目で、米国は最大の輸出先。日産自動車九州(福岡県苅田町)やトヨタ自動車九州(同県宮若市)、マツダ防府工場(山口県防府市)などがあり、台数ベースでは52.5%減の約1万1000台だった。中国や欧州連合(EU)向けも落ち込み、全体の自動車輸出額は26.8%減となった。
 輸出総額は前年同月比14.6%減の8498億円で、2カ月連続で減少した。輸入総額は16.3%減の7638億円で4カ月連続のマイナスとなった。貿易収支は860億円の黒字で、4カ月連続の輸出超過だった。