「自らの力で」ものづくり大国へ

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第284回)

 『人民日報』2025年7月8日付1面に「製造強国建設への新たな展開(制造強国建設取得新進展)」という記事が掲載されました。これによれば、今年5月、習近平・総書記は河南洛陽軸承集団有限公司を訪問した際、「われわれは工業の自主的発展の道を歩み、自らの力に頼って工業と製造業を発展させることを主張する」と指摘したそうです。そして、近年、近代的な産業システムをバックボーンとして、先進的な製造業に、新しい工業化の建設を加速させる力が中国にはついているとも述べています。
 製造業強国とは言い換えれば「ものづくり大国」です。これまで日本は「ものづくり大国」を自称してきましたが、その座も中国に奪われるほどの勢いが中国にはあるようです。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。