「公的資金」前倒し返済へ

豊和銀行本店(大分市)

 豊和銀行(大分市)は7月17日、経営悪化で国から注入を受けた公的資金160億円のうち、約4割に当たる70億円を8月1日に返済すると発表した。返済期限は2029年3月末だが、内部留保が積み上がってきたため一部を前倒し返済する。残りは90億円となる。
 整理回収機構が保有する同行の優先株式70万株を70億円で取得し、8月1日付で消却する。一部返済により、自己資本比率は25年3月末の10.67%から8.56%程度になる見込み。同行は06年に地元の建設業向けなどで抱えた不良債権処理を実施し、自己資本比率が健全性の基準である4%を下回った。金融庁から早期是正措置を受け、14年に公的資金が注入された。
 九州では、宮崎太陽銀行(宮崎市)と南日本銀行(鹿児島市)も公的資金の注入を受けたが、すでに返済を終えている。