九州の志士「経済再生に行脚した『布衣(ほい)の農相』前田正名(まさな)」
2025年06月20日
薩摩藩出身の前田正名は坂本龍馬や五代友厚、大久保利通とも交流し、明治時代にフランスに留学し、経済学や農学を修め『興行意見』を著し、近代日本の農政や殖産興業に尽力した。地場産業や農業振興、日本経済再生のために全国行脚し「布衣の農相」とも呼ばれた。
日本の殖産興業に尽力
薩摩藩出身の前田正名は、1850(嘉永3)年、薩摩国揖宿(いぶすき)郡山川(現在の鹿児島県山川町)に薩摩藩医・漢方医の前田善安の六男として生まれた。兄で薩摩藩士の前田献吉は15歳年上である。幼名は弘庵で、…
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