2008年11月号156ページに掲載

SPOT LIGHT   九州電力

九州最大規模の太陽光発電所を建設
自然エネルギー活用で温暖化を抑制



港発電所跡地(福岡県大牟田市)で開発するメガソーラーイメージ
 九州電力(福岡市、眞部利應社長)は福岡県大牟田市に太陽光発電所を建設、10年度から稼動することを発表した。同社は太陽光発電だけでなく、風力など自然エネルギーを活用することで、再生エネルギーの利用を促進、地球温暖化の抑制を進めていく考えだ。

国が太陽光発電を促進
九電もメガソーラー開発

 今年は、京都議定書第一約束期間(08〜12年)の開始年であり、7月には、北海道洞爺湖においてサミットが開催され、地球環境問題への対応について活発な議論が交わされた。地球規模で増え続ける温室効果ガスを抑制するため、エネルギー面ではセクター別アプローチや原子力発電の有効性の認識が深まった。
 日本では、今年6月に発表された「福田ビジョン」において、CO2を排出しない電源である原子力発電や、風力・太陽光などの再生可能エネルギーの普及拡大などが盛り込まれ、特に太陽光発電については、20年に現状の導入量の10倍、30年には40倍まで拡大することが目標として掲げられた。
 また、電力業界では「低炭素社会の実現」に向け、全国で20年度までに原子力を中心とする非化石エネルギー比率50%を目指すことや、風力発電を500万kW程度、太陽光発電を局所的な集中設置の場合などを除いて1000万kW程度まで受け入れることなどを打ち出している。
 九州電力はこれまでも、地熱発電や風力発電の自社開発をはじめ、風力・太陽光などからの電力購入、九州グリーン電力基金への協力など、再生可能エネルギーの普及拡大に資する取り組みを行ってきているが、08年3月に公表した「平成20年度 経営計画の概要」において、再生可能エネルギーの導入量を17年度までに100億kWh/年とする目標を打ち出した。
 同社はその取り組みの一環として、06年に廃止した港発電所(福岡県大牟田市)の跡地、約7万平方メートルに、同社初となるメガソーラー(大規模太陽光発電システム)を開発することを発表した。開発規模は、最大出力3000kW、年間の発電電力量は約315万kWhで、九州最大、全国でも5番目の太陽光発電施設となる。約2200戸の一般家庭が昼間に使用する電気を賄うことができ、自動車約600台が年間に排出する約1300トンのCO2を抑制する効果があると見込んでいる。この計画への投資額は20億円台半ばを予定しており、着工は09年秋頃、10年度中の運転開始を目指している。メガソーラーの開発については、遊休地の有効活用という観点も踏まえ、いくつかの地点を候補に挙げ検討していたが、同社初のメガソーラー開発であり、建設や運用等を細かに確認しながら進めていく必要があるとともに、運転開始後も電力系統(送電線網)への影響を検証するためのデータ取得を計画していることから、メガソーラー設置が可能な遊休地のうち最も福岡に近いところを選定した。同社は、その他の地点におけるメガソーラーの開発についても、現在検討を進めている。

鹿児島の風力発電所稼働
再生可能エネ普及拡大へ

10月に営業運転を開始した長島風力発電所(鹿児島県長島町)
 九州電力の再生可能エネルギーの取り組みは太陽光発電に止まらない。グループ会社の長島ウインドヒルは鹿児島県長島町に、九州電力の自社電源として3地点目となる長島風力発電所を建設、10月から営業運転を開始した。同発電所の総発電出力は5万400kWと九州最大、風車一基あたりの定格出力も2400kWと国内最大級だ。年間の発電電力量は一般家庭約3万世帯に相当する約1億kWhを計画しており、これによるCO2削減効果は約4万トンだ。
 同発電所の特徴として挙げられるのが、台風や、落雷に対応したシステムを採用していることだ。台風時などに停電となった場合でも風見鶏の原理で風圧を逃がしたり、落雷時に翼の先端部分に取り付けた受雷部から翼内部の避雷導体とタワーを介して地面に電流を流すシステムを採用している。また、鶴の飛来地である出水市が近いことから、鶴の飛行ルートや高度を回避する配置となっていることも特徴の1つだ。
 同社は太陽光、風力、水力、地熱発電の自社開発のほか、太陽光や風力発電からの電力購入などを通じて、再生可能エネルギーの普及拡大に積極的に取り組んでいる。今後も、07年4月に制定した「九州電力の思い」の実現に向けた挑戦の一つ「地球にやさしいエネルギーをいつまでも、しっかりと」を実行に移すべく、地球環境に優しい再生可能エネルギーによる発電にも力を入れていく考えだ。

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