▲扉に戻る
◆北九州新時代の企業群
「第一交通産業」
DAIICHI KOUTSU SANGYO
タクシーの情報ネットワークをフル活用
地域情報を収集しビジネスの芽育む
田中亮一郎社長
|
北九州市小倉北区2-6-8
Tel.093-511-8811
http://daiichi-koutsu.co.jp/
グループ総保有台数は実に7000台以上と、全国約5万3000社のタクシー事業者のトップをひた走る第一交通産業(北九州市、田中亮一郎社長)。タクシー事業の営業エリアは今や30都道府県にまで拡大、各地域になくてはならない交通インフラとして根づいており、不動産、金融、医療・介護・福祉など多岐にわたる事業展開を支えている。
多角的な事業支える
タクシーのネットワーク
「タクシー事業を中核に、その営業ネットワークから得られる地域情報を生かしながら派生的な事業展開を図る」−。タクシー事業以外にも、不動産事業、自動車関連事業、金融事業、バス事業などさまざまな事業を展開している第一交通産業だが、同社を率いる田中社長は、今もタクシー事業をグループの中核に位置づけている。「地域密着を図るために、地域の情報に細やかに対応する企業姿勢はこれまでも、そしてこれからも変わらない」と揺るがない。
同社はこれまで、タクシー事業を通じて地域密着を図ることに徹してきた。1960年にたった5台でスタートした同事業は、積極的な営業エリア拡大に伴って大きく成長。『第一』の社名を掲げたタクシー約6800台が、全国都道府県で今も走り回っている。この営業ネットワークが、同社グループの事業展開を支える基盤となっている。
一例を挙げてみよう。
同社では、新たな事業領域として通販事業をスタートしたが、同事業のコンセプトは、全国に展開している第一グループの営業所と1万人以上のタクシードライバーが持っている豊富な地域情報を生かし、地域に埋もれた銘品をインターネットなどで全国に情報発信することにある。その名もズバリ『逸品倶楽部』。タクシーの営業ネットワークすなわち情報ネットワークと地域とがうまくコラボレーションした事業と言えるだろう。
このほかにも、地域の観光ルート開発や、名産品を全国ブランドにするための地方自治体や地域団体向けのコンサル事業などにおいても、タクシーの情報ネットが生かされている。地域の観光ルートの開発は、海外からの観光客の誘致事業に発展、またコンサル事業は大分県宇佐市や中津市、宮崎県都城市などから受託するまでになった。
今後のタクシー事業について、田中社長は「原油高騰に伴って燃料費が上昇、収益にも少なからず影響している中、現状の体制を維持しながら乗務員サービスの向上 させる一方、後払い電子マネーiD導入など利用者の利便性を高めながら、快適な空間の提供に努めていきたい」と話している。
大型SC開発事業に
果敢にチャレンジ
サンリブ朝日ケ丘(北九州市小倉北区)の完成予想図
|
不動産事業や自動車関連事業、金融事業も積極的な事業展開を図り、「将来的にはタクシー事業とそれ以外の事業で売り上げ構成比をバランスさせたい」と田中社長。
不動産事業は、改正建築基準法の影響を受けたものの、福岡・北九州都市圏および大分市、それに首都圏などで着実に分譲マンションを供給、昨年度は福岡県内の事業者としてはナンバーワンの供給実績となった。事業エリアは、福岡・北九州市エリアを中心とする九州各県ほか東京、仙台、松本などに広がっており、総販売棟数はすでに200棟を超えている。今後も、地域の需要を見極めながら「グランドパレス」「アーバンパレス」などの分譲マンション、「クラセリオ」など戸建て住宅を供給していく。
同時に、商業施設など住居系以外の不動産の企画・開発も推進していく。これについては昨年、本社内に不動産企画開発部を設置、推進体制を構築している。同社は、これを契機に大型SC(ショッピングセンター)開発事業に乗り出す意向を明らかにしており、第一弾として北九州市内で敷地面積1万1000平方メートル規模の大型SCの開発を計画しているほか、JR福間駅前ではイオンモール(東京)と連携、マンション複合型の大型ショッピングセンターの開発を計画していることも明らかになった。「私鉄の沿線開発のようなビジネスモデルを確立したい」と意気込んでいる。
自動車関連事業では「BMWなどの売れ行きが堅調。金融事業では、与信基準を厳格化を徹底しつつプロジェクト融資などを強化していく」という。
急伸する沖縄関連事業
に膨らむ期待感
バス事業は、那覇バスおよび琉球バス交通の2社で、沖縄県内の路線バスの約70%のシェアを占めている。同事業では、モニター制度を活用した利便性の向上に取り組んでおり、昨年には「バス・ロケーションシステム」を稼働した。今後は、同システムをベースに地域情報の発信を行うシステムに進化させる。また、観光バス事業も、県内シェア約50%にまで高まっており、県内の観光産業を下支えしている。
タクシー事業および分譲マンション事業もすでに展開。大規模開発事業としては「モノレール旭橋駅周辺市街地再開発事業」にも着手しており、一連の沖縄関連事業が全体に占める割合は12%前後にまで高まっている。「縁あって進出した沖縄県内で、当社に対する地元の支持、期待感が日増しに強まっていることを感じている。その期待に応えられるように、今後も地域密着に徹していきたい」と話している。
田中社長は、「当社を取り巻く経営環境は厳しいが、現体制を維持しつつ内部統制を強化、地域に貢献する企業づくりにまい進したい」と力強く話している。
|