2007年7月号155ページに掲載

大和ハウス工業 ■住友林業 ■トヨタホームつくし
三井ホーム   ■福岡県建築住宅センター

徐々に回復を見せる
九州の住宅事情

  景気が低迷を続けていた97年以降 、九州の住宅の新規着工件数(注文住宅、貸家、分譲住宅、社宅)は減少の一途をたどっていた。ところが、04年から徐々に数字が回復、昨年は前年比5.1%増の12万1318戸(国土交通省調べ)となっている。そのうち、注文住宅は3万2709戸で1.5%だけ前年を下回ったが、分譲は2万3000戸で前年比11.33%の伸びを見せ、住宅購入が回復傾向にあることを示した。
 この背景には、景気が回復していること、それに伴い地価が上昇し、金利も上昇局面に入ったこと、また、近い将来に消費税アップが予想されることが挙げられる。さらに団塊ジュニア層が30代前半の住宅購買年齢に突入したことも主な要因の一つだ。特に住宅の場合、消費税によってその購入価格に大きな差がつく可能性があり、「今が完全な買い時であることは間違いない」(住宅情報誌)。
 さらに、九州の場合、団塊世代のいわゆるUターン、Iターン、Jターン組が多いのが特徴で、それが件数を押し上げており、昨年売り出された福岡市近郊のある大型分譲地では、3割〜4割が県外からの移住者だという。東京、大阪でマンションなどの集合住宅に住んでいた世帯が、九州に移ってきて広々としたマイホームを買うケースが増えている。

利便性をウリに
都心部の分譲を活発

 前述の住宅情報誌によると、最近の戸建て分譲住宅の売れ筋価格帯は土地・建物合わせて「2800万円台〜2900万円台」だという。例えば、昨年から売り出している800区画の大規模分譲地においても、最も売れている価格帯は2000万台後半。「3000万円を超えると、購買層ががらりと変わる」というように、平均的な現在の住宅購買層が最も買いやすい価格帯が2000万円台後半の値段だという。
 また、最近都心部でよく見かけるのが4〜5区画の少区画住宅分譲地だ。利便性をウリに都心部に住みたい層に訴えかけ、売れ行きを順調に伸ばしている。また、「デベロッパーにとっても山を削ったりするわけではないので、手間はかからない。最近は利便性と同時にペットやガーデニングなど生活のこだわりも強い。そういった志向の変化が少区画分譲の売れ行きを押し上げている」。
 さらに東京ですでに流行し、これから九州でも1つの流れを作りそうなのが、住む人が家作りに参加する「ハーフビルド」「クオータービルド」といった商品だ。土地と材料だけを購入し、自分たちで家を作る。しかし、重要な部分だけは専門家に任せるといった商品だ。
 「特に団塊ジュニア層は自分の家にオリジナリティやストーリー性を求める傾向がある。たとえ見た目は悪くとも、自分たちの手で作った方が愛着がわくことも理由の1つのようだ」。すでに九州のイベントでは人があふれる状態だという。これからの新たな動向の1つとなるかもしれない。

団塊世代の建て替え、
住み替え、セカンドハウス需要

 新規着工(フォロー)市場が団塊ジュニアをターゲットにしているとすると、建て替えや住み替え、セカンドハウス、リフォームなどのストック市場のターゲットはリタイアした団塊世代だ。
 都会暮らしから田舎暮らしへの住み替え、子供が独立した後の平屋への建て替え、退職金を元手に購入するセカンドハウス、老後に備えてバリアフリーにするリフォームなど、新たな需要を大量に生むと言われている。メーカー各社ともそれぞれに合った商品を打ち出し、しのぎを削っている。また業界内では「団塊世代と団塊ジュニアの親子は仲が良い」と言われ、2世代住宅の需要が増すことも考えられる。
 特に最近、売れているのが平屋への住み替え、建て替えだ。家族構成の変化、防犯、防災、階段の昇降の負担軽減、環境に良いことなどを理由に団塊世代が購入する例が多い。「子供が独立すれば、夫婦2人でそんなに部屋は必要ない。必要最低限の部屋と趣味の部屋を持ちたいという人が購入している」(大手住宅メーカー支店長)。住宅に利便性、機能性よりも、住みやすさ、心地よさを求めるのも同世代の特徴だ。

「安心度」を高める
大手ハウスメーカー 

 そんな中、大手ハウスメーカーは、大手だからこそできるクオリティの高い商品とサービス提供に力を注いでいる。そのキーワードはずばり「安心」。さらに詳細に表せば「セキュリティ、健康、耐震性」だ。
 まず、セキュリティだが、日本はすでに安全大国ではなく、50軒に1軒の割合で空き巣などの被害にあっているといわれる。それに備えるには、もはやドアのカギ1つでは無理で、2重3重の防犯を備えていく必要がある。侵入されにくいドアや窓、侵入経路の制限など、複合的な構造を作り、たとえ狙われても侵入できない作りにすることが重要だ。それには大手メーカーの技術力や、これまでの蓄積されたデータに基づいた建築構造が必要不可欠だ。
 また、健康面においても、シックハウス対策に積極的に取り組み、家具やカーテンなどから出るわずかなホルムアルデヒドやハウスダストなどを浄化する換気扇などを取り付けている。
 さらに、今や日本のどこで起きてもおかしくない地震に備えるには当然頑丈な家でなくてはならない。多額の投資を実施し、耐震実験を繰り返しているので、今やシェルターと同じ精度を持つといわれている。このように自分たちの手作りでは到底カバーできない「安心できる家」を具現化していくのが大手ハウスメーカーの役割だ。これから高齢者社会に向かっている日本にとって、「安心」ほど重要なキーワードはなく、それは「家」という、生活に不可欠な空間において、なおさら求められる要素だ。
 ほかにも環境、デザイン、機能性、利便性などをそれぞれ高い質で追求し、高いレベルの商品を提供し続けている。また、細分化する顧客ニーズに応えるため、様々なプランやオプションも用意し、購入者の要望に応えている。安心できる家作りと、自分らしい家を両立できるのが大手ハウスメーカーの強みだ。
 次ページからは、その技術力と蓄積されたノウハウで、安全とデザイン性、機能性に優れた家を提供している大手ハウスメーカーを紹介する。

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