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インタビュー
まちの基本計画をきっちり定め
「広域圏での交流都市」を目指す
中尾保徳氏 NAKAO YASUNORI 熊本商工会議所会頭(鶴屋百貨店 会長)
相次ぐ郊外型複合商業施設の出店により、中心市街地の地盤沈下が懸念される中、熊本商工会議所では早い段階から改正中心市街地活性法の申請準備に取り組んできた。同法認定の要件となる基本計画はすでに提出、認定を待っている段階。九州新幹線の全線開業が4年後に迫る中、改めて熊本都市圏におけるまちづくりの方向性などを聞いた。
城下町としてのまちづくり
―大型商業施設の相次ぐ郊外進出に中心市街地が危機感を強める中、熊本商工会議所の中活法認定に向けた動きは際立っていました。
中尾 中心市街地の活性化につきましては、改正まちづくり3法(とりわけ改正中心市街地活性化法)に対応すべく昨春、熊本商工会議所内にワーキンググループを設け、本市の中心市街地におけるまちづくりの方向性、あるべき姿についての検討に着手、昨年11月には改正中活法に基づく中心市街地活性化協議会(中活協)を発足、同年12月にはまちづくり会社「まちづくり熊本」を設立するなど、中心市街地活性化法の認定を受けるための法的要件を整備してまいりました。中活協では、熊本市とともに具体的なまちづくりのベースとなる基本計画を策定、必要な手続きを経て国に提出しており、新年度早々にも認可をいただける見通しです。
本来、まちづくりというものは、10〜20年かかる一大プロジェクトですが、中活法はその取りかかりとして最初の5年間で中心市街地に限ってまちの活性化を図っていこうという趣旨ですから、私どもも基本計画の取りまとめにあたっては、一定のガイドラインにしたがって計画を策定すると同時に、5年後に達成すべき数値目標を盛り込んだわけです。
計画に掲げた熊本市の将来像は、「築城400年の歴史が息づく暮らしやすい環境の中で、九州中央の交流拠点として魅力と活力に満ちた城下町」としました。観光拠点としての熊本城から中心市街地までを1つのエリアとして、一体感を持たせながら再開発事業が進められることになります。
―九州新幹線の全線開通が4年後に控えています。地元には、ストロー現象を懸念する声もありますが、その点について中尾会頭ご自身はいかがお考えですか。
中尾 4年後に九州新幹線が全線開業すると、熊本駅は通過駅になってしまうのではないかという懸念は確かに根強いものがありますが、果たしてそうでしょうか。移動にかかる時間が少なくなれば、利用者はもっと増えるかもしれませんし、関西圏からの直通運転で博多駅での乗り換えがなくなれば観光面でもビジネスでもプラスになる可能性があります。全線開通により広域的に人を呼び込む可能性が広がることをもっと重要視する必要があります。
その際、観光需要はもとより、ビジネスでの来熊を視野に入れて後背地への産業誘致を進めていかなければなりません。熊本駅周辺では、都市計画道路の計画もありますが、駅周辺ばかりでなく熊本都市圏、そして近隣県とのアクセス道路の早期整備が何より重要だと思っています。
これは余談になりますが、今年度は国が中期的な道路計画を策定する年になっています。地方における道路網整備はまだ途上ですから、各県から道路建設の提案がなされることになりますが、熊本商工会議所としては南九州地区の他の商工会議所と連携しながら、道路整備の必要性を国をはじめとする関係機関に強く要望していきたいと思っています。
市有地の活用策を積極提案
―熊本駅周辺では、区画整備事業など再開発が着々と進められていますが、現時点で留意すべきポイントはどのような点ですか。
中尾 熊本駅周辺開発については、九州新幹線が全線開業した後も在来線の工事が続くことになっており、熊本駅全体の完成はその7年ほど後になります。そうした段階で、慌てて何かを作るより、まずしっかりと将来を見据えた基本計画を作っておくことが大切であり、現にそうした計画に基づいて重要なプロジェクトが着々と進められています。駅前東A地区における市街地再開発事業や合同庁舎建設などがそうです。
ここで重要なポイントは、熊本駅を中心とするエリアで定住人口を増やすということです。熊本駅の乗降客だけではなく、一つの生活の場としての機能を熊本駅に持たせることが必要で、そのために県・市などの施策に民間における再開発事業が連動していくことで、熊本駅を中心とする魅力あるまちづくりが形成されていくのではないかと思います。
―九州新幹線の全線開業は、観光面でどのように及ぼすと考えられていますか。
中尾 熊本市における観光面での悩みは、いわゆる3時間観光という言葉に代表されるように、観光客が来てもパッと帰ってしまうことにあります。市内に温泉施設がないことも大きく影響していると思われますが、滞在時間を長くする工夫をしなければなりません。そこで、当商工会議所としては、現在の合同庁舎の横にある市有地に、熊本城を見に来た観光客のための施設を設置することを提案しています。
前述の中心市街地活性化では、熊本城の壮大なスケール、歴史性を十分堪能してもらった後で、中心市街地へと下りてきてもらうことも想定していますが、まちが一体的に整備されるまでには時間がかかりますので、その結節点として魅力ある施設が整備されると中心市街地への回遊性も高まると思います。
―熊本市では懸案の政令指定都市への移行と同時に、道州制のもとでの州都論も論議されているようです。
中尾 まず、政令市への移行が先決でしょう。道州制論議は結構なことですが、一番肝心な税制の問題については踏み込んでいないのが現状です。道州制ありきでは、地域における格差はますます広がってしまうのではないかという懸念すらあります。熊本市では、富合町と合併協議会を設立しましたが、まずは近隣市町の理解を得ながら合併を推進して、早期の政令市移行を目指すべきだと思います。
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