日常の中の非日常
ハイクオリティーな
時間が奏でる
究極のハーモニー
上質な空間で安らぎのひととき
エグゼが求める癒やしを演出
訪れたすべての人に和みと安らぎ、そして憩いの時間を与えてくれる場であり続けるホテル。まさにそれは、日常生活に一番近いオアシスである。時代とともに人々のニーズが移り変わっても、あらゆるシーンに対応する奥行きの深さで心も体も癒やしてくれる。近年は、遅ればせながら九州にも到来した緩やかな景気の回復局面により、攻めに転じる環境が整ってきた。ホテルは、満足度の高いホスピタリティを提供し続け、総合力を高めるステージへの移行期に入った。
相次ぐ外資系の東京進出
高い質のサービスを要求
2007年、シティホテル業界は「明」と「暗」、相反する2つの大きな問題に直面すると言われた。前者は、団塊の世代の退職による旅行需要の増加に伴う客室稼働率の上昇および料飲部門などのホテル付帯施設への相乗効果である。06年まで5年連続で観光客数が増えている沖縄を除いて(06年は前年比2.5%増の563万人)、同分野が伸び悩む九州各県にとっても期待は大きいだろう。実際、財団法人・日本交通公社が実施した調査によると、07年通年の宿泊者数の見通しは対前年比0.5ポイントの増加、宿泊売上も同6.7ポイントの増加という結果が出ている。その要因としては、「設備投資の実施」を挙げたホテルが最も多く、「景気の回復」が2番目。このことから、景気の回復による利用者の増加を見越して、多くのホテルがハード面の改装を行ったことが推測できる。九州・沖縄でも状況は同じだろう。
一方、07年問題の「暗」とは、東京における外資系ホテルの進出が最終局面に入ることを指す。02年10月開業の「フォーシーズンズホテル丸ノ内 東京」に始まり、03年4月には「グランド ハイアット 東京」が開業。その後も05年は、7月に「コンラッド東京」、12月に「マンダリンオリエンタル東京」と相次いで開業。今年も3月30日に「ザ・リッツ・カールトン東京」、9月には「ザ・ペニンシュラ東京」と、超高級ブランドホテルが続々と登場する。
外資系ホテルは、ブランド戦略、ハードのデザイン性に優れた特徴を持っていることから、迎え撃つ国内系および既存ホテルにとっては大きな脅威。その影響が、直ちに九州にまで及ぶとは考えにくいが、「各主要都市でもホテルの接客やサービスは同質、もしくはそれ以上の内容が求められることは間違いない」(グランド・ハイアット・福岡・西川克志総支配人)。それだけ、各ホテルにはブランド力に各都市の独自性を加味した高いレベルでのサービス提供が求められるようになっている。
客室特化型とは一線画し
高い付加価値を追求する
利用者にとって上質で満足度の高いサービスを提供するには、それを充足するに足るスタッフ数が絶対的な条件と言える。そのためには、客単価を上げて一定の収益を確保することが必要となる。特に福岡都市圏では、価格以上の満足を提供することで、ブランド力の強化を図ることへと経営戦略がシフトしているホテルが多い。そこには、90年代後半から00年代前半にかけて宿泊特化型ホテルの相次ぐ進出による客室の過剰感から招いた低価格競争への反省がある。その方針は、 「ホテルモントレ ラ・スール福岡」(03年開業)や「スリープイン」(06年開業)、「リッチモンドホテル福岡天神」(07年4月開業予定)に代表されるように、やや高級感を打ち出した宿泊特化型ホテルの進出を前にしても揺らいでいない。むしろ、「宿泊特化型ホテルが決してまねできない、シティホテルならではのクオリティー」(福岡市のホテル支配人)を追求している。
一方、「ビジネスホテルとのボーダレス化」(熊本市のホテル関係者)に依然として悩まされる地方の都市型ホテル。新興勢力の台頭に押されて長崎グランドホテル(長崎市)やホテル神田橋(宮崎市)といった各都市を代表する老舗ホテルが閉館。運営継承も相次ぐなど苦しい状況が続く。一方で、「国内景気の回復は、未だ地方都市のホテルにまでは及んでいない」(宮崎市のホテル関係者)、「福岡ほど地域住民によるホテル活用が一般化しておらず、どうしても宿泊部門のウエートが高くならざるを得ない」(前出、熊本市のホテル関係者)という実情はあるものの、やや情勢が変化。宿泊特化型ホテルとは一線を画し収益の確保を優先する姿勢へとシフトしつつある。
ホテル婚回帰鮮明化する
福岡市では争奪戦が激化
宿泊部門と並んでホテル事業の柱である婚礼部門は、「シティホテルのクオリティーが大いに威力を発揮する分野」(福岡市ホテル関係者)でもある。福岡都市圏では、00年代の初頭、ニーズの多様化を受けて、ハウスウエディングやレストランウエディングなどを手掛ける新進系の婚礼業者が多数進出。シティホテルも獲得競争に巻き込まれたが、「特に近年はホテル婚への回帰現象が鮮明化した」(同)という。実際、婚礼件数を対前年比で伸ばしているホテルが多い。
その要因についてあるホテル関係者は、「専門知識が豊富なスタッフを多数そろえ、婚礼前後を通じてあらゆる要望に応えるシティホテルの利点が改めて見つめ直されているからではないか」と分析。一時期は全婚礼数に対して4割を切るかともいわれていたホテル婚は、今ではすっかり回復。むしろ、専門式場やハウスウエディングの需要へも食い込む勢いをみせる。
福岡都市圏におけるホテル婚の需要の高まりを示しているのが、相次ぐチャペルのリニューアルだろう。昨年、8月にアトリウムを改装し流線型のチャペルを設置したシーホークホテルは今年3月、最上階(35階)の先端部を「スカイチャペル」へと改装する。地上123メートル、大型船のデッキをイメージした同チャペルだけで、年間300組の婚礼獲得を目指す。また、開業8年目を迎えるホテルオークラでも今年1月、6階のチャペルを改装した。床には大理石を敷き詰めて高級感を出し、音響やライトアップの設備も拡充した。また同ホテルは、11年の新幹線開業に合わせて08年度から全客室と宴会場をリニューアルする計画。
福岡都市圏における年間婚礼件数は9000組ともいわれる。だが、今後は少子化により市場が縮小するのは確実。婚礼の争奪戦の激化は必至だが、式のクオリティーを重視する傾向は強まることが確実なだけに、ホテル婚への需要は一層高まることが予想される。
ホテルバブル状態の沖縄
県外、外資系資本が進出
九州内のシティホテルとは、取り巻く環境が大きく異なるのが沖縄。地元資本の老舗ホテルでは宿泊客数、売上高はともに低迷が続くのは九州と同様。だが、本土や外資系から、リゾートホテルや宿泊特化型ホテルが多数進出し、さながら、ホテルバブルの様相を呈している。昨年だけでも6月にJALホテルズが運営する「ホテルJALシティ那覇」(那覇市)と全室プライベートプールを完備した高級リゾートホテル「オリエンタルヒルズ沖縄」(恩納村)がオープン。7月には阪急第一ホテルグループのKPGエコロジックリゾート沖縄(沖縄市)が運営する「東京第一ホテル オキナワグランメールリゾート」が開業した。リゾートホテルの建設ラッシュは沖縄本島だけではない。今年12月には、大手ホテルチェーンのルートインジャパン(東京)が同社としては初のビーチリゾートホテルを開業する。
建設ラッシュは今後も続く。ホテル事業のかりゆしは来年8月にも富裕層をターゲットにした高級リゾートホテル「沖縄かりゆしエグゼスリゾート&スパ」を恩納村に建設する計画。不動産コンサル業ゼクスの子会社チャーミング・リゾート沖縄は、豊見城市に500室を超える客室数と大型ショッピングモールを併設したリゾートホテルの建設計画を持つ。不動産開発会社ゼファー(東京)と大和地所(横浜市)も、糸満市で長期滞在型リゾートホテルの建設を計画。北谷町でもフォックス・アンド・カンパニー(東京)を代表とする県外企業4社がリゾートタウン内に2つのリゾートホテルを建設する。閉館したホテルの運営継承も相次ぐ。沖縄は観光客1000万人を目標とするだけに、受け皿となるホテル建設は当分続きそうだ。
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