2006年12月号158ページに掲載

コンサルティング企画

変化の予兆と方向性を見越したコンサルティング

■朝日ビジネスコンサルティング
2極化する企業業績。その格差は、「人材格差」に尽きる
 少子・高齢化・人口減少。いま、全国ベースで3つのサプライズが進んでいる。九州・沖縄も同じ。地域や業種を問わずに、企業を取り巻く環境が激変。国内市場のパイは縮小している。全産業で未体験の変化であり、その先を読み込んだ対応が望まれる。そこには自社内完結ではなく社外からの「知恵」が生きることもある。

環境の変化に合わせて
企業内部を変えるため

 「変化は進化」。「維持は退化」。次代の環境に合わせて自らを変えるところに企業の成長があり、これまでの成功事例に甘んじて変革の手を緩めれば市場から撤退するばかり。その「変化」に向けた動きを外部からサポートするところにコンサルティング・ファームの存在が注目される。

「国際化」する競合基準
九州独自の事情も加味

自らのコンサルの身上を「チェンジ・エージェント(変革請負人)」に置く朝日ビジネスコンサルティングは、「変化即応型の変革」(古川武史社長)で支持を固める。監査法人グループを起点とする同社では、日本の企業会計基準が「国際会計基準」に共通化されつつあるなかで、地場企業へのソリューションは柔軟だ。
 こうして“国際ルール”が導入されるのは不動産も同じ。企業や金融機関が、貸借対照表のスリム化を図って特定の保有資産を切り離し(オフ・バランス)、資産収益を裏付けに証券を発行して機関・個人投資家に販売する(証券化商品)は住宅ローンやリース債券などを基盤に広がりを見せる。
 米国流に「不動産の金融商品化」の動きも、待ったナシ。地銀マネーや年金基金がオフィスビルや流通施設などに流入するなか、福岡都市圏はじめ「九州の実情に則した、不動産マネジメントと価値形成」(江見博・総研会長)が求められ、同社は新会社で対応。
 土地・戸建て住宅からマンション(1棟・区分)まで「実需」本位の不動産流通市場が開かれつつあり、船井財産コンサルタンツ(東京・新宿、平林良仁社長)は「不動産ネットオークション」で「お客さま参加型」取り引きを目指す。また日本インベスターズ証券を関連会社化して以降、金融商品ポートフォリオに厚みを増した。 低金利が続く一方で社会保障費など負担が増えていくことを見据えると不確実性(リスク)も踏まえ「経営感覚をもった投資による資産形成」が望まれる。九州での同社ネットワーク拠点でも「資産の意味合いと価値付けを新たにする」(篠原俊・船井財産コンサルタンツ福岡)展開を強化する。
 船井財産コンサルタンツ長崎では、オフィス・商業ビル中心に投資を進める一方、企業買収により「AM(資産運営)PM(物件管理)まで自社一貫で賄う」(中込重秋社長)態勢を整え「近未来の都市開発に寄与」する土台を築いた。
 企業を取り巻く環境と市場は時々刻々姿を変える。そこで、次代市場で必要とされる企業として勝ち上がるため、根幹的に「変わる」べき主体は、人間だろう。

3点主軸に人を変える
平静から非常時を読む

 意識と姿勢、そして体質。経営トップから実務の最前線まで、この3点が「変わる」ことで組織は改善、企業業績はアップする。
 「『人づくり』のタナベ」で定評あるタナベ経営(大阪・吹田市、田辺次良社長)が2007年に掲げるテーマ」は「独創・改質」。先の3点を「自助努力で新たなスタンスを組み、組織のスタイルを戦略的に革新していく」(小山田眞哉西部本部長)方策を提示する。
 税理士事務所を母体に設立20周年。「収益を上げる社風を築く」ことに注力するのがNBCコンサルタンツ(北海道札幌市、野呂敏彦社長)の小川雅之福岡本部長だ。「好・不調は業界別にあるのではなく、企業ベースにある」というのが基本理念。例えば、建設業はデフレ経済下、公共工事削減の憂き目に合い厳しい環境にあるが、「それでも利益を出している」企業は存在する。要は売り上げが落ちても「利が上がる、仕組みと仕掛け」をつくることが肝要で、その一点に特化して取り組む。同社は福岡・沖縄含め、全国12の拠点網を持ち株式公開も控えている。 実際、こうしたコンサルを駆使して「実効」を上げている企業ほど「危機感が強い」。逆にいえば、「平常時から非常時への備えを怠りない態度が成果を生んでいる」(釜洋輝・NCB経営情報サービス社長)と見るべきだろう。経営トップから階層別・分野別に年間110コースを超えるセミナーで「経営の体質強化と人材の育成」とを進めるが、実は好調な企業ほど参加も積極的で、実際に業容も順調であるらしい。

企業のリスクを総合管理
「順逆同視」で機会を狙う

 いわば「順逆同視」。順境も逆境も捉え方次第で、どちらにも反転する可能性がある。この考え方が平静からの危機管理につながる。 取引先信用から製造物責任、顧客データの情報セキュリティーなど企業を取り巻くリスクは多い。
 「数字化して目に見える実績を支えるのは、実は見えない積み上げ。つまり日ごろの『備え』」(橋本安彦・日商保険コンサルティング社長)であり、ここでは、リスク管理が未来を決めるといっても過言ではない。現に「危機」には、ピンチ(危険)を危ぶみながらチャンス(機会)をうかがう、とい解釈もある。 保業界でも自由化と規制緩和が進むなか、保険流通のエキスパート(1920年創業)としての同社の存在は大きいものがある。
 さて、変化は常態化している。その予兆と方向性をどう読み取り、的確なかじ取りを進めていくのか。ここに、ビジネス・パートナーとしての経営コンサルティングの意味と価値は高まっているようだ。

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