2006年10月号102ページに掲載

不動産投資の
「グランド・デザイン」
を提案する

コスギ不動産
理    創
すみしん不動産 九州法人営業部
「機を見るに敏なるをもって、貴しとなす」。
いま、不動産投資にはこんな格言が当てはまる。チャンスと感じたら即座に動く。投資用の賃貸マンションやオフィスビルは大規模・好立地・高品質の物件から、入れ食い状態。不動産価格と純収益ともに高止りしており、当然、キャップ・レート(還元利回り)は良好で、その“波及効果”も散見する。ここからどんな近未来への透視図を描くのか。その基本戦略を誌面に活写する。

建物は流動化してこそ
次代の資産価値を持つ

 不動産が金融商品化している。賃貸マンションや商業ビルなどの取り扱いは「所有から使用へ」とシフト。物件は保有したまま(ストック)では価値を生まず、証券化やREIT(不動産投資信託)などの手法で流動化(フロー)、株式や債券と同様で、有価証券として市場に流通させて資産となる。
 それも公示価や路線価、基準価などの名目値付けではなく、物件が入居率・稼働性をどう高め、いくら実益を生むか(収益還元力)を見極めて投資。不動産は厳正な評価ルールのもと、明快に時価データを公表、評価額と取引価が変動する金融商品となっている。
「安心・安全・快適・健康」の住まいこそ、私たちの理想といえる

 その最大市場であり、主戦場となるのが福岡都心部。年間20棟強の投資用賃貸マンションを手掛けるディックスクロキは、1平方メートルあたりの賃料効率が高い1LDKや2LDKの物件で「企画性と提案力をアップ。高入居・高稼働を実現する」(黒木透社長)。この9月完成の30階建てマンションは、博多湾を一望、20〜30歳台のビジネスマンやOLの支持を集め、投資家も今後の動向を注目する。
 同社を旗頭に進んだ収益不動産の開発と金融商品化が、郊外部にも波及した。物件もオフィスビルからビジネスホテル、流通・物販施設から医療機関まで多岐にわたり、証券化対象も、容易なものから難易度の高い案件にまで拡大。
 さらに「非活用・未稼働の物件にも資金は流入、仕様や設備などをリニューアル再生して、有効利用が進んでいる」(濱名照章・すみしん不動産九州営業本部長)。
 住友信託銀行グループの同社は今年創業20年。バブル経済の絶頂とその破たん、さらに文字通り「不動産が『塩付け』された」デフレ経済期を体感した後、好景気始動下のいま、「再び不動産がマネーを呼び込む」活況に商機を手中にした。収益マンション1棟売りやデザイナーズマンションの提案、戸建て住宅の新築・増改築から相続・贈与まで、広範なコンサルティングに乗り出している。
 もちろん一連の不動産開発では「公共性や公益性」も望まれており、理創の企業理念と合致する。

郊外部開発と九州での
証券化に問われるもの

 「地域社会での共存共栄」の精神のもと、「地図に残る仕事」を手掛ける理創では、ロードサイドに飲食店やアパレル、レンタル・ソフトなどの商業集積を構成。また、病院や薬局などを集結することで、「地域内で完結する生活サービスを充実させた」(宇野敦常務)。特に医療施設の誘致は社会福祉への貢献度も高く、不動産オーナーの評判も上々と聞く。
 九州での不動産証券化に先鞭(せんべん)をつけたのが熊本市のコスギ不動産(小杉康之社長)。
 特長的なのは「初めに投資家保護あり」の姿勢で、物件の優先劣後構造を安全にアレンジ、リスクの高い部分は同社で引き受けた。 証券化商品の販売でも、金融機関による元本保証を加味するなどして、九州における証券化事業のビジネス・モデルを先行させた。 さらに賃貸物件の入居率・稼働性を高め、維持していく上で、「実効性」ある例も際立つ。

「ユビキタス」社会を
先取りした都心生活

市街地の区画・形質を変更して、新たな「富」を生む
 早川不動産が展開する「KESAKAシステム」は、「近未来の社会インフラ」(早川眞市社長)となる予感が濃厚。NTTドコモの非接触ICカード機能搭載携帯電話で、マンションのドア開閉はじめ「ケータイ」「財布」「カギ」などの使い勝手を追求中だ。身分証明、代金決済からセキュリティーまで機能性は無限に広がっており、福岡都心部にワンルーム・マンションを管理する、ロッシュの深江弘社長は「都会生活の『ユビキタス・ツール』」として評価する。
 「ユビキタス」とは、神はあまねく存在するという意味のラテン語。「いつでもどこでも、コンピュータでネットワーキング」という社会は私たちの眼前に迫る。
 ワイズプランニング(山崎孝徳社長)は米国最古(1906年設立)の不動産開発、コールドウエルバンカーと業務提携。コールドは『全米フランチャイズ・タイムズ』誌で5年連続「不動産ネットワーク第1位」にランクされるなど圧倒的な認知率を誇る。コールドが世界32カ国で展開する売買仲介力を駆使し、営業力を差別化する。「スモールな外観に、スタイリッシュな生活空間」を標ぼうするのがジェイ・イエス(大村政勲社長)の賃貸アパート。メゾネットタイプの「ルッソ」はモニター付きインターフォンから浴室内テレビ、床暖房など完備した人気シリーズで首都圏にも進出する。
 キョーエイ産業(ジャスダック、広島市、石田淑行社長)は福岡支店(松門孝春支店長)への人材登用などで組織体制を固める。「人間力」に磨きをかけながら自社ファン層の開拓に余念がない。

社会資本の機能・価値を
高めて地域経済を浮揚

 一連の取り組みが、不動産経営(プロパティー・マネジメント)の効率化を促し、不動産収入の極大化を押し進めている点は重要だ。社会資本である不動産の機能と価値を高め、土地・建物の有効活用を通して資本が環流、地域経済活性化と浮揚への道を拓くためだ。
 ここで、以下に3社。これまで上げた事業者のなかから、特筆すべき旗手の事例を詳述する。

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